Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

蛮幽鬼 観劇日記とかとか 2

 いらっしゃいませ。

・・・ほほう、なんだかオシャレ系高級くさいフレンチっぽい店で水飲みたいって言ったらボトルで買えと言われたと。
なおかつやたらと炭酸水を勧めてくると・・・。

サイダーとかじゃないんですか?

・・・へえ〜。

じゃあうちも負けてられないですね!

ドライアイスですが、入れてみますか?



 前回彼は観劇に行った劇団新感線の『蛮幽鬼』の感想などを書いてみたりしたが、その感想のあまりの内容のなさに夜中に変な自責の念にかられるというよくわからない状態におちいった。


「役者さんすごかったよ!というだけなのはこの業界(町の野良猫とのコミュニケーションを試みる業界)に関わってる者としてはちょっとアレだよね」


というわけで役者陣の芝居の上手さ以外に彼の心をとらえたものについて・・・。


 「まずは、やっぱり舞台の転換だよね!」

 梅田芸術劇場大ホールの特徴は、舞台中央に作られた回り舞台の機構である。これがぐぐっと回転して場面がいくつにも変わるのだ(「盆」を回すという)。
これが電動でぐりぐりと回り、いくつもの吊り物が絶妙のタイミングで上下し、出演者も絶妙のタイミングで降りてくる吊り物の下をくぐって場面転換が流れるように行われる。
もちろんタイミングが狂えば舞台セットに挟まれるとか、何十キロもある吊り物や幕が頭に下りてくるなどの事故が発生する恐れがある。それをきわめて洗練されたスピードで転換作業を行う。
 盆(回り舞台機構の)はさすがに電動だろうが、何十キロ(もしかしたら何百キロクラス?)もある吊り物の上げ下げはタイミングや物によっては人力の場合があるし、上下(かみしも)や舞台奥から出し入れされる大きな舞台セットの移動はもちろん人力で行われている。それが素早く、かつ滑らかに舞台上にセットされるのだ。これが観ていてものすごく気持ちが良いタイミングなのだ。
 舞台の裏方さんは、それを長い公演期間お客さんに気づかれることなく粛々と行うのだ(もちろん気づかれるようなことがあってはならないわけで。お客がそれを意識してしまうときは進行が滞った時か事故が発生したときだ)。
 気持ちの良い舞台というのはさりげなくすごいことが毎回行われているのだ。



 「あと暗転が少なめだったのも好み!」

 暗転が多いとその度に芝居の温度が下がります、やっぱり。

(彼の諸先輩方は、「本当にここは暗転しなきゃ場転ムリ!」とか「暗転以外に時間の経過が表現出来ん!この場面は!」みたいなやむを得ない場合を除いては暗転を入れない方が良いよ、と彼に優しく教えてくれた。彼は基本的にリスザルよりも物覚えが悪いため自分が芝居に携わるときにはそのような素晴らしいアドバイスは脳から完全に欠落しており、客で他人の芝居を見に行ったときにいきなり思い出し何とも言えない気分に陥るのだ。)

 もちろん暗転しての転換もあったが、その場合幕が下り、スクリーンとして映像を流しキャラクターや時間経過、場面やストーリーの説明を入れ(本来はこの説明台詞然としたものも舞台上でなんとか処理したいけどね)、客の温度が下がるのを防いでいた。


 「あと紗幕!」

 彼は紗幕を効果的に使った芝居が好きだ。薄い透けた幕と照明の効果だけで舞台の手前と奥で「別な世界」、「別な時間進行」やなんかを作り出すことが出来るのだ!
 しかしながら彼が関わるミニマムな芝居には縁がない。

「高いんだよ、あれ。ほんとは。」


 
 「あとさりげなくやってるように見えるけど、音響・照明ともものすごい数のキュー(キッカケ)だった・・・!」

音響さんはあれだけの数のキッカケを3時間PCとサンプラーを叩き続け、大音量の音楽を鳴らし、大量のピンマイクのレベルをとり続けるのだ。

照明さんもあれだけ頻繁に舞台の転換が行われるのだから、そのキューの数は三時間でどれほどになるのかもはや見当がつかない。


「そのスタッフワークが安心して行われるからこそ役者は舞台の上で生きるんだよ。スタッフワークがしっかりしない公演はどれだけ役者ががんばったってミラクルなんか絶対に起こらないと思うよ。」



なんだかまともな発言で締めようとしているな!しかし、いい加減その上から目線は何とかならないのか?



「次回こそアフター観劇をなんとかする、かも」


またしても予告先発?ムリして書かなくても違うネタでも良いぞ。

ともかく長いテキストは書く方も読む方も大変だ!工夫をせよ、人として!

(写真は『蛮幽鬼公式ブログ』に載ってた「蛮神様」の像の写真。東京公演の様子だそうです。大阪公演にもおいてあったそうなのですが全く観ておりませんでした。残念。)蛮幽鬼公式ブログはこちら→http://banyuki.exblog.jp/