Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

ブランド

 いらっしゃいませ。


この間テレビを見ていてビールのCMが流れたんですよ。それを見ていて思ったんですよ。

グラスを冷やすとお客さんに喜ばれる、って!

ほら、キンキンですよ!


 え、ビール・・?

いや冷水ですが・・・何か?




 もう、去年の話しであるが、業務用ミキサー(音響のね。野菜ジュースとか作らないよ)で有名なブランド、MIDASが売却やら何やらで無くなるかも、らしい。さらにグライコ関係の老舗、KLARKも・・・。


 彼的にはなかなかに悲しい話しである。


 ネットに流れていた話しによると、グループ会社の元であるBOSCHが昨年12月9日にグループ傘下のMIDAS(!!)とKLARK(!!)をBEHRINGER社に売却したというのだ(なんだかグループの元はEVIとかTELEXとかなんだかよくわからん。というかもはやそんなことはどうでもいい!そもそも別に彼は事情通ではないし)。



これを何にたとえれば良いだろう?



「うーん、たとえば・・・そごうと大丸をドン・キホーテが買い取ったとかみたいな・・・どう?」


ちょっと違うような・・・。


 とにかく老舗音響機器メーカーを、低価格商品をガンガン売りさばく企業が買い取ったということだ。



「・・・たとえば、フェラーリとマセラッティーをタタがフィアットグループから買うとかは?」



的を射ているような気もするけど、たとえ話はもういいから!



 昨今のデジタル台頭の折に、MIDASは良いアナログミキサーを作っていた(ああ、デジタルもオートメーションもやってたか。まあ今は良い)。


 KLARKはアナログ・グライコの定番中の定番!彼も貸し出し可能なホールでは(予算が許せば)KLARKのグライコを使用していた。


対してBEHRINGERはドイツのブランドだが、価格の安いパーツを使い、デザイン(内部のね)を簡素化、人件費の安い国で組み立ててるんだろうね。かなりな低価格で音響商品を売り利益を上げてきた。


見た目のデザインは大抵他社の主力商品と似通っており、機能も似通っているがとんでもなく安い。その安さの割に多機能だったりする。もちろん高価な音響機材とは比べられる音質ではないが、一般の方がちょっとした録音をしたい、DAWの入門用に使いたいなんてのにはもってこいで、日本国内でもかなりな販売実績を持ってるんじゃ無いかと思う。需要も多い。

とにかく安い。


貧乏音響の彼もご多分にもれずいくつかBEHRINGERの機材を持っている。


どう?使用感は。


「コンパクトミキサーは使いやすいよ。芝居の稽古には便利。グライコもシビアな現場でなければ全然使えるし。ちょっと『?』な感もあるけど、コストパフォーマンスを考えると許せちゃうかな。まあ本当に『?????』なのもあったけど」


因みにその商品は何?


「DI。借り物だったんだけど、プラグをさしてフェーダーをあげたときのS/Nは・・・。因みに別の現場で同社の違う種類のDIを使ったんだけど、これも同じくだった・・・」




まあDIは場合によってはヘッドアンプに直結する機材だからね・・・。存外デリケートだって事だね。


 ブランドがBEHRINGERに売却されるのはもはや仕方のない事として・・・、

「問題はMIDASやKLARKがちゃんと自分のとこの商品を出し続けられるかどうか、だよね」


仮にブランドが存続したとして、機材の中身がBEHRINGER的クオリティーでは目も当てられないって事だよね。


「ちゃんと良い商品が出続けることを期待します」


下手したら二つの優良メーカーが一度に消滅してしまうわけだからね。