厚生年金会館の話 とか
いらっしゃいませ。
最近雨が多くてうっとうしいですね。
まあ、おかげで川や池が満々と水をたたえているわけですが・・・。ヨドガワ・ブレンドもがんがん取水中です!
東京・新宿の東京厚生年金会館の閉鎖に、同館でライブを行ったさだまさし氏が閉館を惜しむコメントを述べていたらしい。また同時に、日本の文化行政に対して「バカモノ」とお怒りのコメントいたしておるようだ。
『さだまさし「ホールは文化財。その認識が日本人にない」…厚生年金会館閉館に「バカモノ」』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100327-00000084-sph-ent
当初の予定通りに全国の厚生年金会館が民間に売却されていっている。
「ホールは文化を発信していく場所。色々と存続が難しいとは思うが、無くなると言うことは国として文化の発信基地が無くなっていくと云うこと何じゃないだろうか・・・」
ネットでちょっと全国の厚生年金会館(多目的ホールを併設)の売却先とかを見てみたんだが・・・。
・北海道厚生年金会館 - 札幌市が取得し、「さっぽろ芸術文化の館」として運営
・東京厚生年金会館 - 2010年3月31日で閉館予定。本館はヨドバシカメラ、別館は伸和技研が落札(ホールはカメラ博物館?別館はマンション?)
・石川厚生年金会館 - 2009年8月31日に閉館、ホール部分は北陸電力が取得し、「北陸電力会館 本多の森ホール」として運営
・愛知厚生年金会館 - 積水ハウス・長谷工コーポレーションが取得、2008年10月31日で閉館(分譲マンション?)
・大阪厚生年金会館 - オリックス不動産が取得、2010年3月31日で閉館予定(ホールと分譲マンション?)
・広島厚生年金会館 - 広島市が取得し、「広島市民文化会館(仮称)」として運営予定
・九州厚生年金会館 - 北九州市が取得(リニューアルオープン予定)
・・・さて、地方自治体が取得し直したものは運営方法などを変えてホールとして生き残っていくようだが・・。
「どうなるかが分からないのは大阪・愛知・東京だ。」
大阪厚生年金会館は、噂によると分譲マンションとホールなどになるというが。
「大阪ドーム(京セラドーム大阪)の経営が『?』な企業が果たしてホールを運営できるのかどうか疑問が残るんだよねえ。でも、完全に分譲マンションとショッピングモールとかになるよりは全然ましかな・・・。是非計画通り劇場を併設してもらいたいもんだ!」
東京は微妙な感じだな・・・。
「ヨドバシカメラが買い手なんだな・・・。これも不確かな情報だが、オフィス・ギャラリー、それにカメラ博物館になるとか・・・。2000人規模のホール跡地にカメラ博物館というのも『?』な話し。まあ、その規模のホールは東京にはまだいくつかあるから良いんだろうが・・・。それでも数々のコンサートや芝居を生み出した文化の発信基地が一つ消えてしまうことには違いはない!」
そして愛知・・・。
「愛知厚生年金会館の多目的ホールは年間の平均稼働率が80%、年間に約30万人の利用者があり、施設全体では約60万人程度の利用者があり、運用の収支は開館以来黒字になっていたそうだ」
随分と優良な感じのホールだな。
「名古屋市内の公共ホールで1000人規模のホールが4つとかって事だから必然的に稼働率も上がっていったのかな。民間のホールはいくつあるのか知らないけど」
で、その優良なホールもやはり売却されてしまうのだが・・・。
「既に閉館しているね。ホール存続の署名が17万人集まったそうだが、名古屋市は存続に積極的な対応をとらなかったとか。で、積水ハウスと長谷工コーポレーションの企業共同体が落札したので分譲マンションになることが決まったと・・・」
それでも名古屋市内には公共の1000人規模のホールが3つは残っているわけか(うち1つの名古屋市公会堂は耐震工事で改修に入るらしいが・・)。フェスティバル・ホールが改修中で2000人規模の公共ホールが一度になくなってしまった大阪市よりはましかな・・?
「まあ、大阪ももっと大きな小屋も小さめな小屋もまだ残ってるわけだし・・・」
名古屋もホールを残す方向で動けば良かったのにね・・・。
「名古屋市は、市では購入しないが、落札した企業がもしホール事業を引き継いだら、関連の固定資産税相当額を5年間補助するという措置を出していた。年間約3000万円という話しだったらしい」
で?
「地域住民もマンション内に文化ホールをという運動をしていたらしいが、企業からの返答は今のところ無いそうだ」
結局のところ分譲マンションになると・・・。
「恐らくね・・・。32億円の最低落札価格に対して、倍以上の65億円で落札したなんてネットに書いてあったから、もし本当なら、早期の資金回収を考えるなら収益率の高いマンション建設ってのはあり得る話しだね・・・。行ったこと無いんだけど、どうやら交通の便がよい一等地らしいし」
まあ、厚生年金事業的に民間への売却は分からんでも無いけど、黒字が出ている劇場を名古屋市はなぜ購入を渋ったのかねえ。まあ、確かに最低でも32億とかって言われたら考えてしまうかな・・・。
「その辺のところが日本人のダメなところ何だろうね・・・。もちろん地方自治体の財政を圧迫しかねない額ではあると思うけどね・・・。ソフトが生きる適切なハコがないとソフトは生きないわけだし。そのハコがない限りはソフトは机上の空論で『文化』にはなり得ない・・・」
まあ、とにかく2010/03/31をもって、東京と大阪の両厚生年金会館が無くなるという話しだ・・・。
写真は彼が2010/03/20に訪問した大阪厚生年金会館の外観。彼にとっては見納めになったようだ。
「皆様、コンサートやお芝居に、是非劇場へ足をお運び下さい」
柄にもなく偉そうな話しであった。上から目線になりがちであるぞ!気をつけよ、小人!