Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

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観劇日記 よろずやポーキーズ 第20回公演 『世界平和家族 〜とある家族の家庭の事情(バックボーン)〜』 を観に行った 

 いらっしゃいませ。


 ・・・裏の路地がどうやら野良猫の通り道になっているらしいんですけどね。・・・なかなかかわいらしいやつなんですが、うちは飲食店なのになぜか生ゴミとかが出ないので、通過するだけの場所になっております・・・。




 昨日彼は、知人の風船パフォーマー「足長のゆ〜じ☆」氏のお誘いを受けて観劇に出かけておった。
氏が客演として舞台に立つというので、天王寺まで赴いたそうだ。





劇団よろずやポーキーズ 第20回公演 『世界平和家族 〜とある家族の家庭の事情(バックボーン)〜』

於:一心寺シアター倶楽

作:児田真由佳

演出:喜多孝夫




どうだったかね。




「いやあ、突っ込みどころ自体は満載なんですが、なかなかに楽しめる内容に仕上がっておりましたよ!」





こちらの劇団さんは以前から知っていたのかね?





「今回の公演で初めて知りました」





どんな内容であったかね?





「SF・ファンタジー・ドタバタコメディーといった感じでしょうか。



 とある街に極々普通の4人+1匹の家族が仲良く暮らしていた。が、家族はそれぞれに秘密を持っており、それは誰にも言えない物であった・・・。

 土木関係(?)の会社で肉体労働に励む父は、実は改造手術を施された変身ヒーローで、日夜密かに悪の組織から世界を守っていた。

 事務職のパートタイムに出ながら主婦業に励む母は、実は民間軍事会社に所属しており、有事には政府などからの依頼により傭兵として活動している。

 一見普通の女子高生の長女は、実は並外れた念動力の持ち主で、影ながら世界の有事をそのたぐいまれなる能力で救ってきた。

 長男は引きこもりの中学生だが、実は理工系の天才でコンピューターに精通、謎の天才ハッカーとしてネットワークの世界で名をはせており、その能力で影ながら難事件を解決してきた。

 そして、ペットの黒猫も実は長男が科学技術の粋を集めた成長する人工知能を持った超ハイテクの猫型ロボットなのであった・・・。


 家族はそれぞれに世界の平和を守るという使命を持ち、その秘密は誰にも知られてはいけない。それは家族であっても・・・



 あるとき、随分前に壊滅したはずの悪の秘密結社が復活ののろしを上げようとする。家族達はそれぞれの立場から秘密結社復活の事件に巻き込まれていくことになる・・・」




コンパクトにまとめてきたな。





「大変に分かりやすいストーリーであります」





では、良かった点、感心した点を述べていくかね。




「まずは衣装ですな。世界を守るヒーローも、悪の組織の幹部も、大変衣装が凝っておりました。予算をつぎ込んでおるなと思いましたね。主人公二人の高校の制服も、なかなかのコスプレ具合でありました」




ふむ。




「特に『犬』!あの衣装とヘッドドレスっぽい耳は、出落ち感たっぷりでありました」





なるほど。





「ダンスが、オープニングとエンディングにあるのですが、なかなかに細かいフリが多く難易度高いですね。フリ自体も大変キュートなフリ付けでございました」




ふむふむ。




「殺陣関係のアクションもしっかり作り込まれております。その分サンプラーを叩く音響さんの苦労も見えてきてしまうのがスタッフ目線の悲しいところではありますが・・・」




致し方なし。



「アクションシーンの『犬対猫』の、犬の武器が今回個人的には最大のツボでありました。巨大骨を「棍」として殴りかかる犬。実は骨は「三節棍」に変形!映画『少林寺』以来の衝撃であります!サプライズド・リー・リンチェイ!」





おお。




「あと、ストーリーも、最初から『細かい伏線とか引く気なんか無えから、わちゃっと楽しんでもらえればいいじゃん。違うところでサービス一杯するし』という姿勢が逆に好感が持てました」




なるほど。




「そのおかげで突っ込みどころ満載のストーリーと演出なんだけど、この手の芝居でそういったところを突っ込むのも野暮というもの。温かい目で見てあげましょう」




うむ。



「後、猫の人。よかったです」




ほう。




「個人的には猫なんだから『棒』(しっぽであったが)ではなく『爪』で戦ってほしかった。まあ個人的趣味の話しですが」





なるほど。では気になった点とかはあるかね。




「気になったというか、個人的趣味の話しなんだが・・・」




ふむ。




「・・・たとえば、芝居が始まってすぐのヒーローと悪の総帥の会話とかであるが、アクションは額縁のなかで起こっているが、ヒーロー達の声がメインスピーカー、つまり額縁の外から聞こえてくる。個人的にはかなり不自然に聞こえる(見える)」




ほう。



「その後も台詞をマイキングしている部分とか、録音した台詞を使っているところとかで、やはりメインスピーカーを使うので、額縁のなかの芝居とは合ってないような気がする」




ふむ。




「ほんとに趣味の話しなんだけど、額縁のなかで発生している事象に対しての音は、額縁のなかから聞こえないと不自然な気がして・・・」




なるほど。




「・・・まあ、あくまで方法論はスタッフさん一人一人で違っていて当然だし」




そうだな。キミの趣味を押しつけるのもおこがましい話しだし、正解なんて無い世界だからね・・・。




「まあ、とりあえず存外に楽しめました」



キミも何かの機会の参考にするのだぞ。後、上から目線な感想にも注意だ!