友達の友達のいとこの彼女のお母さんが・・・
いらっしゃいませ。
・・・遊び心を持った店内レイアウトを・・・。
ああ、気にしないで下さい。独り言です。最近どうも独り言が増えちゃって。だめですねえ・・・。
ところで、店内に流しそうめん的水くみ場を作ったらどうかって考えてたんですよ・・。
・・・・そうですよね。蛇口で良いですよね・・。
彼は知人に自慢できるような人がいないかまた考えていたようだ。
「・・・残念ながらもう居ません・・」
まあ、キミの薄い人脈ではそうそうスゴイ知り合いとかは居なさそうだな・・・。
「・・・ああ、以前ちょっとだけお話ししたことがある方が・・」
・・それは知り合いではないな、もはや。
「まあ、そうなんですけどね・・・。その方の過去の代表的な仕事を聞いてちょっと驚きまして」
ほう。
「・・・・お会いしたときは既にかなりなご高齢であったんですが、仕事にはバンバンにコンピューターを導入されていて」
ほほう。
「しかもそれがWindowsマシンではなく、G3.Macであった事にまず驚きました」
おお。高齢の方がPCを操っているというだけでもスゴイのに、アップルマシンとは。
そもそもその方のお仕事は何なんだね?
「この方もテレビなどで効果音を作成されていた方とのこと」
ほう。
「アナログで効果音を作成していた時代から、しっかりと現在のテクノロジーにまで対応しているその柔軟さに驚かされました。しかもMacで使っていたソフトは。Pro Toolsでございました!」
むむう。恐れ入るな・・・。
で、その方の過去のスゴイ仕事とは?
「・・・・この方はテレビ黎明期、アニメの『鉄腕アトム』の『アトムが歩くときの音』を作った方らしい!」
おお、すごい!
あの「キュポ、ペタ、キュポ、ペタ」って音?
「・・・恐らくシンセサイザーとかを使っては作成していないと思うね・・・。何か音の出るものを・・・マイクでテープに録音して・・・」
因みにキミはその作成したときのお話とかを聞くことが出来たのかね。
「残念ながらそこまでゆっくりお話しすることは出来ませんでした・・・。色々と大変な現場であったもので・・・。アトムの足音を作った人なんだよってのも、後になって聞いた話なので。だからどうやって作成したのかはうかがい知ることが出来ません・・」
しかし、アニメ版の『鉄腕アトム』の頃から第一線におられたわけだから、かなりなご高齢であるわけであるな・・。それでPro Toolsを使って効果音の編集をされているわけだから、ものすごいバイタリティーを感じるな。
「良い歳の取られ方をしておられるな、と思いましたね・・・。因みにこの現場で、肋骨を骨折してそのまま本番・バラシを向かえるという貴重な体験をしました・・・。骨折の事実を把握したのは三日後でした・・・」
なんと・・。随分と痛々しい余談だな・・・。
とにかく、皆様のオリジナリティーの素晴らしさに思いをはせながら今回は終わることにする。