いらっしゃいませ。
・・・え?暖かくなったんで、次は夏向きのメニューですか?
気が早いことをおっしゃいますね・・・。『冷やしなんちゃら始めました』ってやつですよね?
・・・いや、冷し水は年中あるんですよね・・・。
彼のクサレきったCDライブラリーの中で、比較的一般の方にもお薦めできるCDをレビューしていくという、書くネタがなくなったときに窮余の策として泥縄的に始める記事であるが、今回はどうやら「一般の方にお薦めできそう」なという前提から既に外れているセレクトのようであるが・・・。
GUNS N' ROSES 『APPETITE FOR DESTRUCTION』
1987 GEF-D-24148
Produced by Mike Clink
もはやCDのネタに困ったと見える。
「まあ、正直ネタには困っておりますが、いや、ちゃんと他にも書くべきCDは有るのですが、どれを書こうかなと思ったときにこのCDが出てきて・・・。」
ほう。
「いやあ、これが目に入ったらもうこれ以外のCDはセレクトする気にならなくて!」
一般の方々にお勧めするという前提からは外れておるような気がするが?
「・・・確かにそうなんだけど、このアルバムは・・、個人的にはロックのちょっとした宝箱ではないかと思うんですよ!」
おお、大きく出たな。
「確かに一般の方にはお薦めできない感じではありますが、このカッコ良さは侮れないものがあります!」
ほほう。
ジャンル的にはハードロック、かな?
「アメリカン・ハードロックになるのかな?このアルバムが発売された当時、ハードロックは『LAメタル』ムーブメントの残滓が残る時代でした」
ふむ。
「もちろん当時は個人的にもその影響は多大に受けておりまして、ハードロック=(イコール)パワーコードと速弾き系ギター、そしてハイトーン・ヴォーカル、という図式が世間一般的であった」
ふむふむ。
「それは遠く『ディープ・パープル』から延々と続くお約束のカッコ良さで」
70年代から80年代後半に受け継がれていくトレンドだな。
「で、このアルバムが爆発的にヒットしたのが87年から88年かな?はじめて聴いて驚いた!速くなくっても、フレーズが格好良ければギターってこんなに格好いいんだと!」
ほう。
因みにこのアルバムに出会う前に、どんなロックのアルバムを聴いていたのかね。
「・・・もちろんディープパープル、ドッケン、ヴァン・ヘイレン、ラット、モトリー・クルー・・・。まあ、モトリーのミック・マーズに関しては決して速弾きではないけどね」
ふむふむ。
「しかし、モトリー・クルーという『不良っぽい』バンドを聴いていたお陰でガンズもすんなりとカッコイイと思えるようになったのかも知れない」
で、ガンズなわけだが。
「ダイナミックなチョーキング・ウイズ・ビブラート、気持ちよく歪んだオーバードライブ。エフェクトでディストーションをガリガリですって感じではなく。バッキングの重ね方とかもパワーコードで無いってのが逆に新鮮でしたね」
ギタリストには、このアルバムで一躍脚光を浴びる「スラッシュ」も参加しておるな。
「多分彼のお陰で黒の「レス・ポール」の売り上げが確実に上がったと思いますよ」
他に聴き所はあるかね。
「ヴォーカルのアクセル・ローズ、この当時の歌い方がものすごくカッコイイ!」
ほう。
「例えば1曲目の『Welcome to the jungle』のようなしゃがれたハイトーンヴォイスから、2曲目の『It's so easy』の同一人物が歌っているとは思えない低い声、曲によっての使い分けがすごい。因みにこのアルバムでは無いが『GN’Rライズ』というアルバムに収録されている『Patience』は本当に泣かせるバラードに仕上がっていて、とても同じヴォーカリストが歌っているとは思えない。まさに変幻自在のヴォーカルワークだ」
このアルバムはギター・ロックで、シンプルな5人編成だな。
「・・・この後、キーボードなんかも入れて、オーケストレーションなんかも入れちゃってどんどんカッコ良さがスポイルされていってしまうんだけどね・・」
なるほど。
「このアルバムはどの曲もシングルカットされてもおかしくないクオリティ!ロックのカッコ良さってのを改めて知ることになった貴重なアルバムでありました」
このアルバムはフォロワーが多いようだね。
「カッコイイロックってのはこんなのだっていうお手本のようなアルバム。一曲一曲が本当にキラキラしております」
このアルバムはお薦めかね。
「まあ、一般の方々にはお勧めできませんが、カッコイイロックを聴いてみたいというロックキッズ、あとレス・ポール好きのギター少年、永遠のロック小僧達、間違いなくお薦めできる作品かと」
まあ、今回はこんな感じで。
次回からは出来るだけ皆様方にお勧めできるCDをセレクトするのだぞ。縛りを無くすと無法地帯と化してしまうからな!