いらっしゃいませ。
大阪は水の都らしいですよ。水が美味いか不味いかは別にして。
美味いと信じて、ささ、今日も「ヨドガワ・ブレンド」をどうぞ!
記事のネタに困るとかならず逃げに走って始めてしまうCDレビュー。彼のクーロン城もかくやと言う散らかりようのライブラリーの中から、恐らく一般の方々にもお勧めできるのではないかというCDを発見してはレビューをする、そんな感じの内容だ。
今回は何について書くのかね。
「これからの季節にお薦めできるのではないかというCDが発掘されましたので」
THE PACIFISTS 『(They Long TO BE) Close To You』
ザ・パシフィスツ 『遙かなる影〜クロース・トゥ・ユー』
1995 SRCS 7830
Executive Products Producer : GOTA
Produced by Sneaky & Smile
このアルバムはどういったものかね。
「まあ、良くある企画ものアルバムなんですが、カーペンターズの名曲をスイート・レゲエでやってしまおうというアルバム」
ほう。スイート・レゲエ・・・。
「ラヴァーズ・レゲエなんて言い方もするんですか?良くわからないんですけど。UKレゲエですね。本場ジャマイカのレゲエと違って、おしゃれでポップで軽いノリ。レゲエのリズムに、UKのおしゃれなセンスが混ざり合ったジャンルですな」
ほほう。
「マキシ・プリーストとか、ジャネット・ケイなんかは、日本でもおなじみのUKレゲエシンガーでは無いでしょうかね。とてもスイートな感じの曲をレゲエのリズムに乗せて歌っておりますね」
・・で、今回のアルバムなわけだが。
「まあ、企画ものなので、このTHE PACIFISTSというバンドのメンバーもこのために集められたんだと思いますが・・・。スイートなレゲエアレンジでカーペンターズの名曲をおしゃれに歌ってくれます」
夏向きだね。
「さわやか。キュート。そして誰もが知っていてすっと入ってくる名曲達。企画ものとしては大変正解の方向なのではないでしょうか」
キミは結構頻繁にこのアルバムを活用しているようだね。
「夏場のパーティーのBGMに、イベントや芝居の客入れに。かなり重宝しております」
便利アルバムだな。
「原曲がすべて名曲なので、誰にでも受け入れられる。逆にちょっと印象が強すぎることもあったりしたのですが」
ほう?
「ある芝居の客入れにこのアルバムを使ったところ、回収されたアンケートに『BGMに使っていたカーペンターズのレゲエ版は何というバンドですか?』みたいな内容のが2枚も混ざっていたことがあって。感想を書かれない芝居が悪かったのか、客入れBGMが悪かったのか今となっては分からないけど、芝居を食ってしまったのかも知れないという罪悪感は残りましたね・・・」
なるほど・・・。
・・・こういった企画ものは良く購入するのかね。
「あまり購入しないかな・・・。これを購入した理由も、もちろん『レゲエでカーペンターズ』という面白さもあったんだけど、エグゼクティブ・プロデューサーにGOTAのクレジットがあったのが大きかったな・・」
ほう・・・。
「GOTA(屋敷豪太)は、日本はもちろん、UKなんかでも活躍するドラマーで、打ち込みとかもするし、エンジニアリングもプロデュースもする。国際的に有名なトラックメーカーだ」
有名な方なのだな。
「例えば1991年には、あのシンプリー・レッドに加入してアルバム『スターズ』の制作に参加している。アルバムは大ヒットしたね。あと、近年はスガシカオのバックでドラム叩いてるのを見かけたね」
ほう。
「決して手数が多い方ではないのだが、独特のグルーヴを持つドラミングでファンも多いのではないだろうか」
なるほど。
「で、このアルバムにクレジットを見つけたので、スイートレゲエでもあのノリがあるのかなと思い購入したというわけ」
そんな感じのノリだったかね。
「・・・うーん、打ち込みは基本的にごくごく普通のアルバムでした・・・」
このアルバム自体はお薦めかね。
「結構お薦めですね。初夏の海岸線をドライブするときのBGMに、夏の昼間のホームパーティーに、自宅でビールを飲みながら、とても心地よい雰囲気が味わえると思います」
興味を持たれた方は、なにぶんにも古いアルバムなので、中古CD屋で探すとか、ネットで探すとかしてみてほしいということだ。
「あと、是非『GOTA』と言う名前も覚えてくださいね。あ、因みに京都出身の方らしいですよ」
そんな軽いノリで今回は終わる。