専門職の方の道具 『ナグリ』
いらっしゃいませ。
天気予報は昔から『当たらないもの』って事になってましたが、昨今の天気予報は本当に当てにならない気がしますねえ・・・。
何の愚痴だか良く分かりませんが、とりあえず、水をどうぞ。
過日、彼はテレビの画面の中に見慣れた物っぽい『道具』を見つけたらしい。
「何気にテレビのチャンネルをあちこち変えながら面白そうな番組を探していたときのことだ」
ふむ。
ありがちな光景だ。
「どうやらドラマらしい番組で、トンカチを使って角材を角材にはめ込む映像が映っていた。家具か何かを作っていたらしい。手元近辺のアップのカットであった。よくある金槌っぽかった」
ふむふむ。
「カット変わりで役者のバストショット。役者は篠原涼子氏であった。角材に組み付けが終わると、金槌(?)を人差し指で、まるで西部劇のガンアクションのようにくるくると回した」
まあ、ちょっと役柄の家具職人ぽい芝居を挟んでみるかという、そんなカットかな。
「で、回し終わった金槌を注視してみると・・・」
なぜ金槌に注目?ドラマなんだから役者さんを見なさいよ。
「職人さんの道具って、興味わくよね。専門の方しか使わない道具って、凄くイカスと思うんだ」
・・・ほう。で、これは家具職人さんがどんな金槌を使うかに興味を持ったわけか。
「・・・アップになった時の金槌を見てみると、先ほど角材を組んでいたときの普通の金槌とは違うようで・・」
・・ほう。
「舞台関係者が使用する専門の鎚、通称『ナグリ』(舞台玄翁)のフォルムにかなり似ていた」
ほほう。
「あ、因みに舞台の現場だけでなく、建築の現場とかでも金槌を“なぐり”と呼ぶ習慣は結構あるらしいです」
どうでも良い余談だな。
「・・・そのドラマのスクリーンショットとか無いので・・。はっきりとは判別できなかったんですけどね」
うーん、あいまい記事。
「もしちゃんと確認されたような方がおられましたらコメントを書き込んでもらえればありがたいです。そもそも家具を作る方が本当に仕事場で『ナグリ』を使うのかもご存じの方がおられましたらそちらに関する情報もコメントを書き込んで頂ければありがたいです」
相変わらずの他力本願ぷりだな。
「まあ、このまま終わるのもアレな感じなので、自前の『ナグリ』の画像でも載せますかね」
まだ新しいのか?
「購入したのはかなり前だね・・・。妙に生っ白いのは、使用頻度が少ないから。道具さんではないので、それほど何かを叩くって事がないので・・。余裕があれば舞台のバラシとか手伝うときに使うけどね」
よそを手伝う暇があったらケーブルの一本でも巻けという話だな・・。
上部にビニールテープが巻いてあるが。
「体験したことはないんですが、折れて頭が飛んでいくことがあるそうな。それを防止するために巻いてますが・・・、まああまり使わないナグリなのでカッコだけですな。他にも暗闇でナグリを降るときに目印になるんだそうな。今のところ暗闇でナグリを降ってるような現場についた事はないですが。後でビニテを取ってみましょう」
頭の後ろは釘抜きだな。
「いわゆる金槌にもついていることが多いですな」
形も特徴的だな。
「通常の打面以外にも、頭部分の側面で打つことが出来ます。広い面を打ったり出来ます。使い方はアイディア次第。この四角い形状をドラマの画面で確認できたんだ」
ほう。
「頭のこの幅が、1寸になってるなんて事を聴いたことがあります」
本当かね・・?
「頭の上部。普通の金槌と違い、前後二カ所にくさびを入れて、更に頭にくさびがしっかり掛かる構造になっているのが確認できるだろうか」
なるほど。
「ドラマで見た篠原涼子氏が使っていたのはこの部分が確認できなかったんだよなあ・・・。頭の形はナグリそのものだったんだけど」
別物ではないのか?
「くさびの出っ張り部分が埋め込まれた形の物も出回っているらしいので、一概に『出っ張りが確認できなかったからナグリではない』とは言い切れないようだ」
・・・なるほど。
「くさびが首まで貫通していて、木ねじでがっちり止められている」
なるほど・・・。
なんだか落書きが・・・。
「皆さん現場で目印になるように、名前を書いたり、落書きしたりしてる。この落書きは、このナグリが手元の届いたその日にKS嬢という大熊猫的女優に速攻で落書きされた似顔絵らしきもの・・・。似てるのか?」
「裏面」
重ッ!
「底面」
またもや落書き!
「・・・ところで、ドラマ内で篠原涼子氏がガンアクションよろしくナグリを人差し指でくるくると回していたアレなんだが、出来たら格好が良いかなと思って挑戦してみたんだが・・・」
おお。
「無理です」
あら。
「バランスとか頭の大きさとかを鑑みて何度か挑戦してみたが、これは出来ない。そう思った」
やってみるところが恥ずかしいところだが・・・。まあ、今回はこんな道具もありますよという、なんだか『タモリ倶楽部』みたいな内容で終わる。