Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

夏っぽい写真を・・・

 いらっしゃいませ。


 雲の形がすっかり夏の雲って感じですね。これからは、さらに、入道雲の季節ですね。


 氷、冷たいですよ!





 彼は例によって深夜の帰宅であったらしいが、なんだか夏らしいものを発見したらしい。





「まずこの写真を見てもらいたい・・・」









・・・・なんだこりゃ。

あまりに手ぶれがひどすぎて、何が何だか全くわからんではないか!






「・・・えー、深夜に帰宅しようとしたら、路上でもぞもぞと動くものがあって・・」





・・・ほう。





「これは、深夜の路上でよく見かける、あの台所とかに現れる黒いヤツかと思ったんだ」





・・あれな。あの黒い、触角の長いヤツな。





「・・・でも、あれの割にはものすごくゆっくりだし、色味もかなり茶色っぽい。奴等のような黒さ加減ではなかった」





ふむ。





「で、近づいてよく見てみると、脱皮前の蝉の幼虫であった」




ほう。





「どこかの地面から出てきて、これから脱皮の準備のための高いところを探している最中であったらしい」






ふむ。





「周りに背の高い木なんかがない場所であったので、その後の苦労はかなりなものであったと思うが、どこかの木にとまらせてやるのもなんだか自然に手を出しすぎのような気がしてはばかられた」






ふむふむ。





「梅雨明けを知ってすぐに出てきたような気がしてちょっと感動。とりあえず写メをとろうと思って近づいたんだ」





ほう。





「そしたら、そのとたんに幼虫の動きが止まって」





おや。





「たぶん地上に出てきて始めてみる巨大な外敵だったんだろうね。驚いたのかぴくりとも動かなくなって」





おお。




「もしかしたら、蝉にしてみれば死を覚悟した瞬間かも知れない」





確かに、もっとも無防備な状態で、巨大な外敵が携帯片手にやってくるわけだからな。





「なんだかちょっとかわいそうになって、ピントや手ぶれの確認もそこそこにとりあえず写メをとって、数歩離れて息を殺して、動き出すかどうかしばらく見ていた」





・・・・ふむ。




「やがてもそもそ動き出したので、その場を離れることにした。クルマとかに轢かれたりしなければいいなと思いながら・・」





ふむ。




「で、そのときの写真が上記の写真なわけだ」





本当に何が写っているのかさっぱりわからんな。





「画面全体の灰色の部分はアスファルト。中央の光沢のある茶色が蝉の幼虫」





ふーむ・・・。





「ちゃんと写っていれば、本当に夏の始まりらしい風情のある写真になっていたわけだが・・・」





・・・台無しだな。





「・・まあ、また何かおもしろい何かが撮れたら記事にします」





こんな何が何だかわからない写真を記事にするとは・・・。これではスポーツ新聞とかの、『未確認生物、撮影された!』みたいな記事の写真の方が全然ましだと思うぞ。



撮影して保存した写メはちゃんと出来映えを確認するようにせよ、小人よ!