Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

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CDレビュー 『4 PLUGS』 THE MAD CAPSULE MARKET'S

 いらっしゃいませ。

 夜の冷え込みには温めた水をどうぞ・・・、ってそれは白湯だっての!

 ・・・と、一人ボケ・一人突っ込み・・。




 彼はまたまた記事の内容に困ったらしく、なんだか訳が分からなくなっておるCDライブラリーに顔を突っ込んで、めぼしいものがないか物色しておるらしい。その様はゴミ箱を漁る野良猫に似る。基本路線の“皆様にお勧めできる”というのは、大前提として生きておるわけだが、一度禁を破ってしまったものの末路として、その前提は平然と破られつつある。いつ元の路線に戻る事やら。企画の大前提を破るのは、まるで憲法違反のごとくではないか。

 
 今回は皆様にお勧めできる作品なのであろうな。






「・・・・えー、個人的には名盤であると」





個人的?





『4 PLUGS』 THE MAD CAPSULE MARKET'S

1996 VICL-737

produced by THE MAD CUPSULE MARKET'S




ミクスチャー・ロック?しかもちょっとコアっぽい・・・。
・・・ほう、これを一般の皆様に・・。






「まあ、ちょっとハードですが、そんなにゴリゴリのコアではないです、このアルバム。聞きやすいですよ、きっと」






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ほう。






「このアルバムは“THE MAD CUPSULE MARKET'S”(以下MAD)のメジャー6枚目、インディーズから通算すると7枚目のアルバムになる」





・・・・ふむ。





「このMADというバンドはとにかく節操がない(?)。初期のバンドサウンドは、ハードなパンクサウンド。だがそれほどコア的ではなかった」






ふむふむ。





「“ザ・スターリン”や、“BOØWY”の影響を受けたらしいサウンドはパンクっぽかった」






ふむ。






「しかも、インディーズ時代から、布袋寅泰とか“X JAPAN”のhide、“BUCK-TICK”の今井寿なんかが評価してたこともあり、扱いはかなりビジュアルロック的な扱いであった」





ふむ・・・。





「それが、海外でストリート/グランジな感じのバンドが流行り出すと、曲調もなんだかグランジになり、服装(ビジュアル)もスケーターみたいになり、リミックスものが流行るとリミックスアルバムを出したりと、流行にやたらと敏感な人たちであった」






・・・ほう。





「バンドは次にインダストリアルなテイストを吸収、更にミクスチャー・コア的なものを吸収し始める」





どこに行きたいんだか・・・。





「今回紹介する『4 PLUGS』はそのミクスチャーテイストを吸収し始めた頃のアルバム。日本国内ではこの手のミクスチャー・ロックの先駆け的なアルバムであった」





ほう・・・。






「・・・例えば“Rage Against the Machine”からDJプレイと政治的メッセージを抜いたような感じと言えばいいだろうか?」





なるほど・・?






「ラップ的なボーカル(時にはスクリーミング的なこともやる)、ゴリゴリと押しまくるギター、ディストーション系のエフェクトがかかったベース、重いキック、エフェクトなんかを入れて飛び道具的に使用したスネア・・・」





ふーむ。






「なんか、こういう風に書くと、最近のちょっとハードな音楽のトレンドでしかないが、このアルバムに関して言えば、当時日本国内でこういったミクスチャー的な音楽をかっこよく決められるバンドはいなかったし、今聴いても全く古くさくなく、非常にカッコイイ」





ほう。





「要所要所にシーケンサーで作ったようなフレーズもあり、現在のラウド系音楽のトレンドも取り入れている」






ふむ。





「パンク系のボーカルから、ラウド・ミクスチャー系のボーカルにちゃんと変革し対応できているのが良かったと思う。サウンドスタイルが変われば歌いこなすのはかなり難しい」





なるほど。






「バンドはこの次のアルバム、『DIGIDOGHEADLOCK』でさらなる変化を遂げる」





ふむ。





「元々“YMO”をフェイバリットにあげたりして、電子楽器に対して免疫がなかったようで、完全にデジロックなアルバムに変化する」






ほう。






「“Atari Teenage Riot”ばりの打ち込みやノイズ。いわゆる(“Atari Teenage Riot”的な)【デジタル・ハードコア】に、それまでのミクスチャーロックを織り込んだアルバムになる。バキバキなデジ・ロックアルバムになった」




ふむ。
デジタル・ハードコアか・・・。





「当初のパンキーな感じからすると、劇的な変化。まさに節操がない。でも確かにその辺りまでは確実にかっこよかった。まあ、すぐメロディー的に破綻し始めてしまうんだけどね・・・」





・・・ふむ・・。




「この『4 PLUGS』あたりから、日本のミクスチャー・ロック・シーンに多大な影響を与え、一つの方向性を作り出したという点で、その功績は大きいと思う」






なるほど。





「まあ、なによりこのアルバムが問答無用にカッコイイというのが一番大きいけどね」





・・・キミ的に格好いいわけだな。





「・・・まあ、コアくさいのが嫌いな方には全く鼻にもかからない内容ですけどね・・」





まあ、何より先駆け的であるというのは良いことだ・・。

・・・しかし、もっと一般的な音楽を探すことが出来ないのか。ちゃんと皆様にお勧めできるものを探し出すのだぞ!


尻切れ状態のようであるが、今回はこれで終わる。