Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

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観劇日記 2010年 劇団☆新感線30周年興業【秋】 豊年漫作チャンピオンまつり 『鋼鉄番長』 を観に行った

 いらっしゃいませ。

 秋は本当に天気が変わりやすいですね。

・・・寒くなってきましたか?


・・・では、温めてお出ししましょう。






 彼は先日(2010/11/25)、『劇団☆新感線』の30周年記念公演、『鋼鉄番長』観劇に行ってきたらしい。今回はその辺りについて、テュラ、テュラ、テュララ〜と書いてみたいらしい。



作・演出:いのうえひでのり

於:シアターBRAVA!(大阪公演)


三宅弘樹
坂井真紀
田辺誠一
古田新太 ほか





「いやあ、面白かったですねえ。出来る人たちが、その能力の全てをネタ物に費やすとここまで頭の悪い物(もちろん褒め言葉)になるのかって芝居でしたねえ」





ほう。






「観劇について感想を書く前に、今回観劇に行ったメンバーを記しておく」




  風船パフォーマーの“めり”こと、素敵女子・MT嬢。因みにこんなアイコンではあるが、猫と接触するとひどいアレルギーを起こす。




   合い言葉は“ほっぺにケチャップ”、素敵女子・AO嬢。因みにこんな落書きアイコンであるが、そこはかとなくサンドラ・ブロックで、そこはかとなく田中美保だ。そんな感じだ。





  “ニュータイプ女子”、素敵女子・MS嬢。因みにこんなアイコンであるが、もちろん普通の女子だ。反応早し(デストロイ・モード)!





  彼。因みにこんなアイコンであるが、秘密めいたことはなく、端的に表現すれば社会の塵芥だ。







「素敵女子三人を引率してきました!」





おお、なんだかうはうはで有るな。





「さすがは素敵女子達。素敵でした・・・」





なんだそりゃ。





「今回は先行予約でチケットを購入したんだけど、正直あまり良い席ではなかった」





ほう。





「“シアターBRAVA!”の一階席、最後列から数えたら、多分後ろから五列目くらいの席であった」





ほう・・。






「個人的にはこの“シアターBRAVA!”という劇場があまり好きではない」





・・・ふむ。






「元々、劇団四季が『キャッツ』を大阪でロングラン公演をする際に作った劇場なんだそうで、公演後取り壊されるのではないかと言われていたものを企業がオーナーとなり劇場として存続しているんだ」





ほう。





「なので、なんだか“劇場”としての重みがない。なんだか仮設というか、掘っ立て小屋っぽいというか・・・。とにかく重みがないんだ」






ふむ・・・。






「しかしながら、元々“四季”がミュージカルをおこなうために建てた物なので、バトンの数も多く、タッパ(舞台の高さ)も高く、芝居の公演をおこなうにはなかなかに使いやすいらしく、結構メジャーな団体が公演をおこなうことが多い」






ほう。






「あと、キャパ的に恐らく800人くらいだと思うんだけど、なかなかにキャパが大きいのもメジャー団体が公演を打つ理由であると思うな・・・」






なるほど。
で、今回はそのあまり好きではないという劇場なわけだが?







「・・・まあ、“劇場”として好きではないというだけで、別に嫌いというわけではないよ。それに、今回は後ろのほうの座席であった割には存外に見やすかったし」






なんだそりゃ。






「平日のお昼間の公演だというのに、座席はほぼ満席。後列にちょっと空きがあったけど、当日券のを購入した客で最終的にはほとんど埋まってしまった。相変わらずの人気ぶりである」





ふむ。





「幕が上がって最初に思ったのは、相変わらず舞台作り込んでいるなあということ」






ほう。





「よく分からぬままに、突然夜の遊園地でのアクションが始まるのだが、その遊園地の造形が、見た目はものすごく落書き的なんだけど、細かいところまで良く作り込んである。序盤の、恐らく10分くらいにしかそのセットは出てこないのだが、一部にスクリーンを仕込んであったりと、相変わらずビジュアルで見せる」






ほほう。

ところで、内容的な物に触れなくて良いのか?







「うーん、まだ公演中だしなあ。・・・でも、まあさわりだけ。あ、ネタバレ注意報発令ということで、気になる方はここから先に内容には気をつけてくださいということで・・・。

 ストーカー男の“兜 剛”は、自分がストーキングしているアイドルを、恋人との密会写真をネタに深夜の遊園地に呼び出すことに成功した。しかしそのアイドル“沢々尻モニカ”は、なぜだか謎の不良学生の集団に連れ去られて行ってしまう。しかも兜はジェットコースターから落とされ瀕死の重傷を負ってしまう・・・。

 ・・・目覚めたとき、兜は、警察の科学捜査班の実験室に拘束されていた。彼は科学捜査班の改造手術によって、瀕死の重傷から、サイボーグ捜査官“兜 剛鉄”よみがえった。彼はモニカを連れ去った謎の学生達を追い、彼らが所属している“聖アンガー学園”に潜入捜査官として潜り込むのであったが・・・」





まるでお約束なストーリー。







「そうです。お約束を踏襲しつつ、どれだけネタを盛り込めるかというのが今回のお芝居」





ほう。





「まず、主な舞台になる『聖アンガー学園』は、明らかにメタリカのアルバムのタイトル、『セイント・アンガー』そのままである。学校の校章も、ジャケットイラストそっくり。こういうところで分かる人間はちょっとにっこり。それ以外のところも、露骨に芸能界やドラマ・映画・洋楽・宮崎アニメまで、ありとあらゆるものをパロディーのネタに使う。ここまで行くと、元ネタを知っているか?と挑戦されている気がしてくるくらい」






ふむ。






「個人的に良くハマっていたなというのが、坂井真紀が演じる、スケ番潜入刑事・浅見山サツキ。でたらめな土佐弁が、まるで本家の2代目スケ番刑事・麻宮サキをかなり彷彿とさせる!」






ほう。






「そして、ものすごいきっかけの量をこなす音響と照明!ありとあらゆるところにきっかけがあり、どんどんと音と照明で押してくる。CUEのかずが半端ではない!正直この量のきっかけを叩くのはなんとしてもお断りしたい仕事だ」





ほう。





「それから、すっかりおなじみのプロジェクターによる映像演出。小さなスクリーンから、舞台を覆う紗幕まで、ありとあらゆるところでガンガンと使用される」






ふむ。





「一番目立つところは転換場面で紗幕を下ろし、プロジェクターからの映像を幕に流しているしている間に転換をしてしまうところ。大きな舞台装置の違和感なく転換されるし、暗転も作らないので舞台の温度が下がらない。ストーリーの進行も途切れない」





ふむ。





「それ以外にも、肘から先の部分だけを小さなスクリーンで隠して映像を映し、その間に腕に小道具を装着するなんて小技が頻繁に出てくる。テンポが全く落ちないので、まるで舞台上でギャグアニメがそのまま展開されているような、驚異的なスピード感を感じる」







ほう。






「そして役者達はとてもタフだ。歌い、踊り、殺陣をする。殺陣自体はそれほど派手なものではないが、映像にリンクさせたり、人力でマトリックスばりの“ブレット・タイム”を表現してみたりで、かなり面白い。歌は歌っているのかはどうかは分からないが、全部で9曲もある。そして、踊りまくる!」







ふむ。






「歌と踊りでツボにはまったのが、マイケル・ジャクソンのパロディーが大変面白かった!」






ほう。





「曲調はかなり『スムーズ・クリミナル』で、ダンスもそれっぽい。しかも“ゼログラビティ”まで人力でやってしまう。袖中で必死でワイヤーを引っ張る舞台さんの姿が目に見えるようで、それがまた楽しく感じる」







なるほどねえ・・・。

かなりネタバレになってないか?大丈夫か?






「まあ、この程度では収まりきらない量のネタ満載なので、大丈夫ではないかと・・・」






ふうむ。






「まあ、あくまでネタ物なので、いわゆる“いのうえ歌舞伎”とか、正当派な芝居であるとかを求める人には果てしなく下らないものでしかないと思うんだけど、逆にこれはネタ物だと割り切ることが出来る人には、かなり面白い物だと思うよ」







褒めてるなあ。







「この芝居はそういう物である、テーマだとかメッセージだとか物語性だとかは二の次、サービス精神満点のエンターテインメントだ、ということが理解出来る方にはお勧め出来る作品かと」





なるほど。







「素敵女子達も、芝居の内容には満足してもらえたのではないかと」





ほほう。

まあ、楽しめたのならそれで良し。興味のある方は12月まで大阪公演をおこなっているので問い合わせてみればいいかなと。ほとんどの日程で当日券も出ると思うので。




ちょっと尻切れトンボな感じの感想であるが、今回はこれで終わる。




写真は、ロビーに飾ってあった、ナノブロック製の登場人物達