Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

読書感想文 『月は幽咽のデバイス The Sound Walk When the Moon Talks』 森博嗣 を読んだ

 いらっしゃいませ。


 ニュースでは、一足早い春の便りが、なんてのが出てたりする一方で、豪雪に悩まされる地域もあったりして・・・。


まあ、ヨドガワ・ブレンドにはあまり影響はないんですが。





 過日彼は、森博嗣氏の小説、“Vシリーズ”『月は幽咽のデバイス The Sound Walk the Moon Talks』を読了したらしい。今回はそれについての感想とかを、ほにょっと書いてみたいそうだ。

どうであったかね。









「まあまあですね」





ずいぶんと上からの発言だな。





瀬在丸紅子とその友人達の活躍するこの“Vシリーズ”はまだ三冊しか読んでいないので、まだキャラクターに感情移入が出来ていないかな?もしくは、それまでに読んでいた“S&Mシリーズ”と頭の中で無意識に比較してしまっているのかも知れない」






ほう。






「“S&Mシリーズ”がある意味天才達の物語なのに対して、“Vシリーズ”は(もちろん主人公の瀬在丸紅子は天才的に描かれてはいるんだけど)、もっと庶民的(?)な感じがする」






ふむ。





「あと、どうも主要キャラクターの保呂草潤平に感情移入出来ないってのも引っかかっているところかな。他の登場人物達を仲間と思っているのかいないのか・・・。多分、自分の仕事の利益を最優先しての行動が主であるんだろうけど、どうも立ち位置が分からない」






・・・ふむ。どうもその辺りは良く分からないが、またまた例によって内容に触れてみるかね。お約束のようにネタバレ注意報発令ということで。






「過去には大金持ちで、どういうわけか没落してしまったお嬢様育ちの女性、瀬在丸紅子と、近所のボロアパート“阿漕荘”に住む学生、小鳥遊練無、香具山紫子、それに自称“探偵”の保呂草潤平は、なぜだか知り合いで麻雀仲間である。


 紅子と昔から親交のある大金持ち、篠塚家で、娘・利英の婚約発表パーティーがあり、紅子はそれに出席する。篠崎家のリビングでパーティーはおこなわれたが、リビングの奥にあるオーディオルームで無残にも血みどろになった女性の遺体が発見される。女性はパーティーの出席者であったが、パーティー会場のリビング意外に出入り口はないため、殺人であるなら密室殺人ということになる。“犯人”はどのようにして密室に出入りしたのか?それとも狂気の果ての自殺なのか。現場に居合わせた紅子が、“犯行”を推理していく・・・」







いわゆる密室殺人ものだな。







「・・・密室殺人ものというカテゴリーに入るかな?まあ、森作品なので、別に“殺人”でなくても良いし、“動機”もなくても良いという、その辺りのところはある意味お約束という感じなんだけどね」






ふむ。






「今作では、このシリーズ中で謎の多いキャラクター、保呂草潤平の“正体”の片鱗がほんの少しだけ明らかになる」





ほう。





「自称“探偵”である彼は、“何でも屋”という顔も持ち、さらに前作の『人形式モナリザ』では気に入った作品だけを盗む“名画泥棒”という顔も見せた。そして今作では、盗品の名画を闇ルートに流通させることで利益を得る“盗品ブローカー”という顔を見せる」






がっつりネタバレではないか。






「それでもまだ謎が多い。なんだかありとあらゆるところに噛んでいそうな気配を見せる」






ふむ。





「なので、事件が起こっても、事件の解決だけでなく、自らの利益になるような行動をこっそりおこなっていて、微妙に事件そのものをややこしくする」







ふむふむ。






「まあ、登場人物が多いこの作品では、各人が各人なりの利益を得る行動をするというのはある意味自然な行動ではあるのだが」






ふむ。






「ある意味、今作の物語のメインはそれにあるかも知れない。あと、『月は幽咽のデバイス』というタイトルの意味は、かなりラストのなってから“そういうことかあ・・”と思う部分があったので、あんまり意識しないでも良いかも知れない」






なるほど。

・・・なんだか感想になっているのかいないのか分からない感じだが、どうかね、この本はお勧め出来る本かね。







「・・・まあ、前作までを読んでいる方にはお勧めでしょうか。本格的推理をお求めの方には、ちょっとお勧め出来ませんが、愉快なキャラクターが出てくる読み物として読めばなかなか楽しめると思いますよ」






なるほどねえ・・・。

まあ、シリーズ物なので、続けて読む方は読んだ方がよいという事だな。

どうも感想になっていないような感じなのだが・・。まあ良いか。



今回はこれくらいで終わる。