Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

オコトバ

 いらっしゃいませ。



 風はまだ冷たいですね・・・。




 過日彼は夕方のまだ早い時刻に最寄り駅から自宅までぷらぷらと帰り道を歩いていたらしい。




「早い時間帯に帰る事が出来たときに歩くコースと、遅い時間帯に帰るときのコースは違うんだけど、早い時間帯に通るコースには、途中にちょっと有名なお寺のそばを通るんだけど」






ほう。





「あ、別に古いお寺であるとか、文化財クラスのなんちゃらというお寺ではないよ。ただ、そのお寺の住職の息子さんがちょっと有名人なんだ。でも、その人の名前をここで書いてしまうと、お寺の場所とかが分かってしまうので、今回は書かない」





ふむ。







「まあ、今回のポイントはお寺が有名であるとかではなくて、良くお寺になんだかありがたいお言葉が掲示してあったりするじゃない。その言葉にちょっと興味をひかれたんでそれを書いてみようかなと」





ほう。







「『自分のものさしで問う前に 自分のものさしを問うのです』。この言葉が書かれていた。」






ほほう。






「これはかなり的を射た言葉であると思った」






ふむ。






「ただ、たいへん実践の難しいことであるね。基本的に人間はみんな自分本位、自分中心だし」








もちろんキミもかなり自分中心であるしな。







「・・・否定は出来ないですな。残念ながら・・・」






がんばって他者の尺度でも物事を考えようということかね。






「そんなに簡単にころっと人格を変えることが出来るはずもないので、まあ、もう少し人の言い分も訊いてみようかなあ、なんて考えてみたり」





・・・ほう。






「この言葉を見ただけで、ころっと変われるような人は、悟りとかもすぐ開いてしまいそうな気がする。残念ながら凡人なので、ちょっとこの言葉を記憶の片隅にとどめておくくらいで・・・」







・・・実践出来る人間になるにはまだまだ時間がかかりそうだな・・・。

そもそも世俗の垢にまみれまくったキミが、こんな言葉を取り上げようとした時点でかなりな無理が生じているような気がする。



それよりも前に、もっと人間らしい“何か”を見つけなければならないのではないか?

せめて引きこもりをやめよ、小人よ!



今回はこの辺りで終わる。