Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

野生のかほり

 いらっしゃいませ。


 
 今年は地方によっては雪がたいへんに多いとか。


その雪解け水が、何年もかかってこのグラスまでたどり着くわけですよ・・・。なんだかロマンチックじゃないですか?





 今回は彼がまだバイクを売っぱらう前の話をつらっと書くらしい。なんだか昔話で記事を一つ仕上げるつもりなのだそうだ。






「神戸市って、意外に自然が多い街なんだ・・・」






ふむ。





「5,6年前の話になるが、神戸市灘区の阪急六甲駅をずずっと北上した地域に知人が下宿していたんだ」






ふむふむ。






「この辺りの地区は、六甲山が間近に迫り、結構急な勾配のある地域である。近くにK大学のキャンパスなどがあり、交通の便が悪い割には学生が多く住む地域であった」






ふむ・・。






「山が近いので空気が良い、結構山の動物が出没する、なんて与太話をその知人宅で聞いて、夜になってからバイクに乗って帰宅することにした」







ふむふむ。







「斜面を切り開いて下宿達が立ち並んでいるため、知人の下宿の周りは細い路地ばかりであった。その細い路地を抜ければ、下の街へと続く、対面通行のワインディングロードに出ることが出来る。それが幹線道路なんだ。運転の技術に自信がなかったので、細い路地もワインディングも安全運転でゆっくり帰ろうと思ってとろとろと走っていたんだ」







・・・まあ、細い路地で飛ばすこともないだろうな。







「・・・路地をゆっくり流していると、ふっと、風に乗ってものすごい臭気が鼻の中に。・・・例えて言うなら動物園の臭い。もしくは牛小屋とかの横の牛糞を溜めているところの臭い。その臭いが突然フルフェイスのヘルメットの中に充満した」







近くに動物園か牛小屋があったんじゃないか?







「少なくともその細い路地沿いには無い!」






ほほう。






「路地の向こう、街灯に照らされたゴミ・ステーションには・・、」






・・・。






「・・・初めて見る大きさのイノシシが!!」







ほう!







「イノシシ自体は(多分動物園とかで)見たことがあったけれど、こんなに間近で、しかもそれまで見たことがあるイノシシとは比較にならない大きさ!」







ほほう!







「そのでっかいイノシシが、うり坊を三匹連れてゴミ・ステーションの生ゴミをあさっていた」






おおお・・・。






「細い路地で横道もない。この距離で止まるか?それとも何気なく横を通り過ぎてしまうか?とにかく体当たりしてきたらこの細い路地では避けることは不可能だ・・・!」






・・・結構ピンチであるが、なんだかおもしろシチュエーション。






「徐行してはいるが、見る間にイノシシとの距離は縮まっていく。近づいてくるバイクのことなど全く目に入らないうり坊達は、ゴミ袋に鼻面を突っ込んでいる。しかし、問題の親イノシシは、完全にこちらのバイクに気がついた!!」






おお?







「一瞬悩んだが、結局徐行に近い状態でそのままイノシシの横を通り過ぎた。バックミラーに映るイノシシは何事もなかったかのように再びゴミ袋の臭いをかいでいるようだった。しかしそれをゆっくり確認している暇はない!逃げなければ!追いかけられたらやばい!スロットルを大きく開けて幹線道路へ大急ぎで逃げた・・・。イノシシは追いかけてこなかった・・・」







ふうむ・・・。

せっかくのおもしろシチュエーションなのに・・・。







「六甲山は野生のイノシシが多く、時々観光客やハイキング客なんかに被害が出る。増える野生のイノシシ対策として、神戸市は人間がえさなどを与える事を禁じている。しかし、山から里へ出てきてゴミなどを漁ったり、地域住民に被害を与えるという事例は後を絶たないのだ。この日は図らずも間近にその“野生”を見ることになってしまったわけだ・・・」








ずいぶんと長々と書いているが、まとめると“バイクでイノシシの横を通り過ぎた”というだけの話であるな・・・。



今回分かったこと。

・イノシシは動物園の臭い。

・イノシシはでかくて怖い。

・イノシシは生ゴミを漁る。

・神戸市は自然&野生が一杯。


たいした話でもない物を水増しして、さも大事であったかのように記事を書くのはどうかと思うがな。

反省せよ、小人よ!!