Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

名物はおさえておく/平沼商店

 いらっしゃいませ。


 ああ、お代わりどうですか?





 彼は過日、神戸名物を一度眺めてみようかと電車に揺られたらしい。今回はその名物の記事を書いてみたいそうだ。





「神戸名物と言うよりは、すっかり全国区になってしまった神戸市長田区名物ですね」





なんだ、また鉄人28号かね。




「鉄人より全国的にメジャーかも知れません」





ほう。





「ネットで評判の“それ”は意外にも近くにあるのにそれを見に(?)一度も行った事がなかったので、今回ちょっと見に行ってきた」







ほほう。





「まずその写真を見ていただこう」







これは・・・。







「もはや全国区、『焼き肉のたれ自動販売機』」






ほほう。







「もしかしたら最近は各地に似たようなものが出来ているかも知れないが、おそらくここが元祖だろう」







ほう。







「今回はこれを目指して行ってみたんだ」






暇人としか言いようがないな。





「最寄り駅は山陽電車西代駅、もしくは高速長田駅。神戸市営地下鉄、およびJR神戸線の新長田駅からも徒歩圏内。それぞれから微妙に歩くが、まあたいした距離ではない」






ふむ。






「今回は山陽電車西代駅から歩いて行くコースを選択した。駅を南に降りて南東に歩く。目的地まで10分もかからないだろう」







ほう。







「駅を降りて歩くと、周りの家々は、まるで新興住宅地のように新しい家ばかり。しかし、この街は本当は古い町。本来ならば木造建築の小さな家が密集してギチギチに建っているような街であるが、今はそんな家は見当たらない。この街の景観は、阪神大震災で一変してしまったんだ」








・・・・。







「この近辺の街の成り立ちはちょっと複雑だ。・・・だけど少しだけ書こう」







・・・・ん。






「神戸市は昔“履き倒れ”と言われたくらい履き物を作る産業が盛んであった。製造だけでなく、流通も盛んであった。なので神戸市には今でも靴屋さんや履物屋さんが多い」







・・・ほう。






「靴の製造で、もっとも盛んであったのが、“ケミカルシューズ”。つまりゴムやビニール製の靴の製造だった。誰しも子供の頃の運動靴の底はゴムであったと思う。そういったゴム製の靴の部品なんかを作る小さな町工場がたくさんあったのが神戸市長田区。今も下町を歩けばそうした小さな町工場を時々見かける。今回行った辺りもそうした工場がたくさんあったが、木造建築の小さな工場達は震災で壊滅的な打撃を受けたんだ」







・・・ふむ・・。






「で、それらの街を再開発して、古くて新しい街が出来たわけだ」






なるほど・・・。






「戦中戦後、この街は労働力を欲していた。下請けの小さな小さな町工場達。そしてこの街は以前から肉屋が多い・・・」







ふむ?







「この町には、在日の韓国・朝鮮の方が多数住んでいる。神戸の下町、かつての労働者の町、それが神戸市長田区。まあ、それ以外にもいろいろとあるのだが。だが、今回歩いた辺りは驚くほど閑静で、ちょっと不思議な感覚であった」







ふうむ。






「なんだか話の本筋からずれまくっているが、とにかくぷらぷらと歩いて目的地へ。町の景観が変わっていたのでちょっと迷い気味であったが、多分この角を曲がると・・・」











おお!






「お待ちかね、神戸名物・焼き肉のたれの自動販売機登場!」







・・・クソ演出!!





「撮影をしていたら、お店の人に『・・・また撮ってやがる。勝手に撮りやがって』的な視線をもろに浴びる。すいませんねえ・・。撮らせて下さいって一言言えば良いだけの事なんだろうけれど、それが言えないんだよねえ・・・」






礼儀をわきまえぬからだ。






「ここでお店の情報とかを」


平沼商店
神戸市長田区川西通4-10-10
078-691-0020
17:00〜20:30
日祝休
078-691-0020






そもそもここは何屋さんなんだ。





「お肉・ホルモンの販売と、夕方からは焼き肉屋さんですね。肉とホルモンはお昼間でも販売しています」






ほう・・・。





「実際に食べに行った方の記事を発見しましたので、無断ではありますがリンクを貼っておきます」


http://ktokuri.exblog.jp/4615228/






礼儀の話をしたばかりだと思うのだが・・・。







「このお店はテレビでこの焼き肉のたれが取り上げられて話題となり、タレの通販を楽天にて行っている。なかなかの売れ行きなんだとか。そちらのページもリンクしておこう」





http://www.rakuten.ne.jp/gold/hiranumasyouten/






むむ。






「辛くない醤油味のタレと、味噌味の中辛・大辛の3種。通販金額680円」






ふむ・・・。







「あ、お肉も売ってますね。ちなみにタレの自販機での料金は630円」







ほう・・・。





「当然買ってみる」








まあ、お約束だからな。





「今回は“ふつう”と書かれていたものを購入。多分通販によるところの“中辛・味噌ベース”と思われる」







思われる?






「記事を書いているこの時点ではまだ開封して味見とかしてないんでね」





なるほど。






「通りを渡って向かいからお店の外観を。お店の方のにらみに負けてちょっと距離を置いてみた」






まあ、離れないと全景はとれないな。








「中央のガラスの入り口が焼き肉屋さん。隣に生ホルモンとかを売っているお肉屋さん独特のショーケース。その横に件の自販機が並ぶ」






ふむ。






「このお店のタレは、自販機で売っているというのもさることながら、撹拌になんと洗濯機を使っているというのもかなりなトピック。もちろんタレを作るためだけに使用している。ただ、洗濯機は食品を撹拌するというのは本来の目的ではない。なので使用している洗濯機の寿命は比較的短命なのだそうだ」






ほう・・・。






「あ、ちなみに自販機横の洗濯機ではありませんので。念のため」






それはそうだろうな。






「やはり全国的に有名な店になっているんだろう、道路の向かいから撮影していたら、他府県ナンバーの車が停車。中からiPhoneを構えた若い男女が自販機に向かってダッシュしていった」





ふむ・・。






「まあ、この二人が記事などにして、さらに話題を振りまいてお店の売り上げが上がればそれはそれで好しということで」






・・・そうだな。







「ちなみにお店の向かいはこれまた有名店、『元祖 平壌冷麺屋』(へいじょうれいめんや)」





ほう。


食べログに記事がありましたので、リンクを貼っておきます。

http://r.tabelog.com/hyogo/A2801/A280110/28001098/









「冷麺専門店。もちろん一年中冷麺。ほかのメニューもあるけど。やはり基本は冷麺」








ほほう。







「なんでも、日本で初めて朝鮮冷麺を出した(らしい)んだ。支店もあるけど、ここが本店」






へえ。

味は?






「いや、入ったことない」






あれ?






「そんなに冷麺、好きじゃないんだ」





なんだそりゃ。






「まあ、いつか行きます。近くだし。行ったら記事にするかも知れません」






なるほど。


結構書いたな。






「終わります」





はい、おつかれ。


また何か面白そうなことがあれば記事にするのだぞ。


今回はこの辺りで終わる。