モニタースピーカーが“帰って”来た
いらっしゃいませ。
さあ、冷たい水をどうぞ。
彼は、修理に出していたモニタースピーカーが一応工場から返ってきたという連絡を受けて、ソニーサービスへ引き取りに行ってきたらしい。
『一応』という単語が少々引っかかるな。
「このモニターは以前から結構不調であって、一度メンテナンスに出していたのだが、その時メンテナンス工場では全く訴えていた不調が発生せず、現状のまま引き取らざるを得ない形であった」
ふむ。
「今回再び不調を訴えて点検に出したわけなんだけど、最初工場からは、また『症状が出ない』という連絡があり、どうしましょうとか言ってきたんだ」
あら。
「自宅では症状が出るが、工場では症状が出ない。最悪のパターンだ」
ふうむ。
「とりあえず見込み修理ということで、コーンが少々古いので、コーンを交換して様子を見ましょうか?と言われた。ただ、ペアのスピーカーと音質が変わるかも知れませんが、とも」
・・・?
「コーンが古いのは分かっている。でも今回の異常はどう考えてもコーンやボイスコイルではないし」
ふむ・・・。
「異常箇所は、ボリュームコントロールのガリと思われるので、コーンを交換しても全く意味がないということを切々と訴えた。ボリューム系統と、アンプ部分を調べて欲しい。異常が見つからないようなら、アンプのアッセンごと交換してくれてかまわないから何とかしてほしいということを、こんこんと訴えた」
・・・まあ、異常が出るんだからなあ・・・。
「ソニーさんはもう一度メンテナンス工場へ言ってみますと言ってくれた。それからしばらくして、また連絡があったんだけど、やっぱり何の異常も出ないとのこと」
ええ?
正常なのか?
「しかも希望していたボリューム関係の交換は、部品のストックが既に無く、交換出来ないという」
あらら。
「ただ、交換はできないけれど出来るだけのことはしますのでと、『ボリュームは接点回復材での処理と、ハンダが浮いていそうなところを改めてハンダ付けして、コンデンサー関係は全て交換します』とのこと。ボリューム系の交換ができない上に、異常が見当たらないので、ある意味闇雲な対応。でもありがたかった。『見込み修理になるので、それで良いですか?』と言われた。まあ、できる限りのことをしてくれるというので、ありがたくお願いした。山ほどパーツを交換するのに、見込み修理ということで値引きしてくれて、支払金額は3150円で良いとのこと。ソニーサービス、良い対応だぜ!」
まあ、多分、ソニーサービス的にも、もうキミと関わるのが嫌になったんじゃないか?異常が出ないスピーカーを直せ直せとごねるんだからな。ちょっとしたウザいクレーマーに見えたんじゃないか?
「とにかく、大阪・難波にある、ソニーサービスまでモニターを引き取りに行ってきた。受付の姉ちゃん達も親切対応」
・・・多分、クレーマーだからおとなしく帰らせろという指示が出ていたに違いない・・・。
「持って帰って交換部品を見てみると、袋の中から大小多数のコンデンサーが交換されてじゃらじゃらと出てきた。見た感じ脹れているようなヤツはない。もしかしたらソニー、本当に意地になって『これでも文句言うか!』みたいな感じで見込み修理をしたのかも知れない」
クレーマー、グッドバイ。二度と来るなと言う意思表示、じゃないか?
「オペアンらしきIC部品まで交換されていたからねえ・・・」
・・・ごっそりだな。
「まあ、コンデンサーに関しては、脹らんでいなくても平然とイカレてくれちゃったりするし、素人では判然としないから、ごっそり交換してくれたのはありがたいかぎり」
ふむ。
で、どうかね。実際に使ってみて、異常は出ているのかね。修理から上がってきたものは。
「とりあえず、ガリはなくなった。左右で音量の差が激しかったのも、かなり改善された。なんだかやたらと悪かったS/Nも良くなった。結果、修理に出して良かったと思う」
ほう。
良かったじゃないか。
「それでも、パソコンからのノイズをちょくちょく拾うんだよねえ、やっぱり・・・」
ふむ・・・。
「かなりマシになったんだけどねえ・・・。なぜだ?ケーブルももちろんバランスでとっているので、ケーブルじゃないと思うし・・・」
ふーん・・・。
「まあ、ほぼ、使えるようになりました。面倒なメンテナンスをしてくれたソニー・サービスさん、お世話になりました。ありがとうございます」
なんとか、ノイズを軽減するような工夫をせよということだな。うまくPCとスピーカーの間を遮蔽出来るようにしたらいいかも知れないな。
まあ、最小の出費で良かったじゃないか。ソニー・サービスには感謝することだ、クレーマー君。
今回はこの辺りで終わる。