Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

読書感想文 『GOSICK Ⅶ −ゴシック・薔薇色の人生−』 桜庭一樹 を読んだ

 いらっしゃいませ。


 どうですか、このグラス。

・・・どうやらヴェネチィアン・グラスらしいいんですよ・・・!



・・・まあ、らしいってだけで、本物かどうかは別問題なんですけどね・・・。


あ、そっちは百均です。





 彼は過日、桜庭一樹氏の小説、『GOSICK Ⅶ −ゴシック・薔薇色の人生−』を読了したらしい。今回はそれについての感想とかをひょろりひょろりと書いてみたいらしい。


『GOSICK』シリーズの本編も、もう7作目か。






「本編は8作目で完結することが既に発表されているからね。今回は一度に大きく物語を動かそうという、そんな感じがしたね」





ほう。





「相変わらずキャラクター達の性格設定が分かりやすくて、物語を理解しやすい。特に今回はストーリーがすいすいと進んでいく」






ふむ・・・。

では恒例であるが内容に触れてみるかね。もちろんネタバレ注意報発令ということで。






「“灰色狼”と呼ばれる、伝説の民の血をひく少女、ヴィクトリカ。類い希なる知能を持ち、友人の日本人の少年、久城一弥と共に数々の事件を解決してきた。

 
 世界では、不穏な空気が流れ、「二度目の嵐」が迫りつつあった。ヴィクトリカは、父・ブロア侯爵に召喚され、ソヴュールの首都ソブレム向かうことになる。ブロア侯爵は、迫り来る国難に対抗すべく、国内での権力を高めるために、何とか対抗勢力である国王派の弱みを握ろうと画策し、ソヴュール最大のスキャンダルであった、10年前の王妃殺害事件の謎を解くように強要される。

 ヴィクトリカの身を案じ、後を追いかけてきた一弥と二人で、オカルト省の秘密基地になっている劇場「ファントム」で、王妃ココ=ローズのクビ無し殺人事件の真相に迫る。解決の正否により、ヴィクトリカ自らの、また、友人一弥の命の危険すら伴ってしまう・・・」





・・・なかなかにスリリングだな?





「物語はテンポ良く進む。エンディングがケツカッチンなので、これまでの謎めいたものを惜しげもなくバラしていく」






ほう・・・。





「20年以上前に宮廷を騒がせた謎の錬金術師と王妃のについてとか、過去の逸話で伏線的な物が回収されていく」





ふむ。






「特にヴィクトリカの母、コルデリアの過去であるとか、コルデリアの相棒であるブライアン・ロスコーの秘密であるとかが、早足で明かされていく。まだ回収されていない伏線なんかがあるので、最終巻のⅧでは、怒濤の様な進行になることであろう」





ほう。





「個人的にはもう少し引っ張ってみるべきだと思うんだけどね。まあ、桜庭氏も、いつまでもこの作品に(と言うよりラノベに)関わっているわけにはいかないだろうしね。アニメ化もされたことであるし、一応のエンディングを見せるというのはある意味正解かも知れないけどね」





・・・ふむ。




「今回の舞台は劇場だったんだけど、もう少し“劇場”や“舞台機構”や“芝居”に対してしっかりした描写はほしかったよね。舞台関係者にしてみると、劇場の地下にもう一つ使っていないホールなんてのはちょっと現実的ではない。やはり舞台の下は“奈落”でないと」





おっとその辺りは書かない方が。

どうかね。この作品はお勧め出来る作品かね。





「既刊を読んでいる方は是非読むべきでしょう。また、アニメを観て気になったという方は、第一巻から読んでみてはいかがでしょうか。漫画版やアニメ版とは違った面白さがあるかも知れません。ただ、先にビジュアルが脳内にすり込まれているために、マンガチックなキャラクターが脳内で動くだけかも知れませんが」





ふむ。

まあ、ラノベに抵抗がないという人には良いだろうな。






ラノベを物足りなく感じる人には、桜庭氏の他の作品をおすすめしますね。『赤朽葉家の伝説』なんか如何でしょうかね」






なるほどねえ・・・。


あまり感想的な記事ではなかったが、今回はこの辺りで終わる。