Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

マイクケーブルを作る

 いらっしゃいませ。


 杉花粉の花粉症の方は、ちょっと落ち着いたんですかね。





 彼は過日、マイクケーブルをちまちまと組み立てていたらしい。



「久しぶりに作ったんで、やたらと時間がかかった・・・」





ほう・・・。






「なんだか知人の芝居の公演で必要とかいうことで、切ったり剥いたりしてたんだけどね。製作過程でちょっと写真なんかを撮ってみたので、今回はその写真を載せようかと」






・・・誰得企画かさっぱり分からない!





「もしかしたら、『ああ俺、ちょうどマイクケーブル作ってみたいと思ってたんだよね!』『私も。私も!』みたいな人がいて、ものすごく参考になったとか好評を博すかも知れない」






博さない。普通マイクケーブル要らないし。というか、よく写真に撮るという発想があったな。






「二本くらい作った時点で飽きちゃって。ちょっと目先を変えようかなと思い」






逃避行動の末の産物ということか・・・。






「とりあえず、先ずはケーブル」

「今回使用したケーブルは、定番のCANARE(カナレ)のL-4E6Sというケーブル。比較的絡みにくく、電波ノイズにも強い。音痩せも比較的少なく、変な色づけがされないケーブル。性能の割に値段が安いが、高級志向の方や、ハイファイ志向の方にはあまり選ばれない(そういった方はBELDENとかを使うのかな?)。PA屋さんの超定番ケーブル。必要な長さにニッパーで切る」





ほう。




「先ずは一番表面の皮膜を剥く。あまり長く剥くとショートなどの原因になるし、短いと作りにくい。2センチ以内が目安。剥くと編み目の線が出てくる。これがいわゆる“シールド”。この網線で包まれていることによって、外部からの電波ノイズを遮蔽する。エレキギターのケーブルをよく“シールド”と呼ぶことがあるが、この電波遮蔽の網線が使われているケーブルが主流になったために、“シールド”という俗称が根付いた」





ほほう。






「網線を丁寧にほぐしていく。この作業が個人的に一番面倒。この網線は、電波遮蔽の目的と、アース/グランドを流す役目がある。後でこの線もプラグに付けることになるので、そこそこ丁寧にほぐしていく。まあ、音声信号が通るわけではないので、それほど神経質になる必要はない。ただ、あまり雑に行うと、ショート(短絡)を起こしてノイズを発生させることになる」





ふむ。





「ほどいた網線は、一つによじっておく。ショートの原因となる、ひげとかが飛び出ていないかよく見ておく。しっかりよじって、ひげとかが出ていたらニッパーでカット」







・・・ふむ。





「芯線とのクッションの役目を果たしている紙と糸を剥いて、青・白、それぞれの線を露出させる。内部でよじれながらクッションに包まれている。こういったケーブルのお約束として、有色線をhotにする事が多い。なので今回は青い線がhot、白い線がcold。クッションの紙と糸は切り取っておく」






ふむふむ。





「こんな感じ」






ふむ。






「青い線、白い線共に被服を剥いて、導線を露出させる」






・・・。






「青い線は青い線同士、白い線は白い線同士、それぞれをよじって繋げておく。三芯として使用する」







ふむ。






「線の先端をそれぞれハンダで止める。網線をよじったものは、全体にハンダを染み込ませてしまおう。今回はケーブルの固定にラジオペンチを輪ゴムで止めたものでケーブルを固定した。まあ、ピンチで止めるなり、万力で押さえるなり、各人で固定の方法は研究してもらいたいってことで」







ふむふむ。








「どうでも良い写真だけどハンダごて。何でも良いでしょう、こんなの。ただ、水に濡れたスポンジは必ず用意しましょう。コテに残った余分なハンダを拭き取るのに使用」







どうでも良い写真だな。






「さらにどうでも良い写真、ハンダ。高いものは変に高い。あまり安いものは音質に影響する。各人でよさげな物を探してって事で。今回はそこそこの値段の物。あくまで消耗品なので、それほど高価な物には執着しない」






まあ、そのほうが良いだろうな。






「ハンダ付けして、先端を処理。グランド線(網線)は、他の二本よりほんの少し短く切った方が後が処理しやすい」





ほう。






「ケーブルに付けるプラグの部材。写真に写っているのはキャノンプラグのメス。今回はNEUTRIK(ノイトリック)のNC3FXXを使用。型番内の“F”はもちろん“FEMALE”(女性)の意味。オスのプラグならもちろん“M”(MALE)と記載されている。貧乏なんで、高価なブラックのプラグを使えない・・・」






ふむ・・・。






「部材の接点をあらかじめハンダで下処理する。固定には今回もラジオペンチを使用」







ふむ。






「接点にハンダをのせる。あまり良く分からない写真だけど」






どっちも銀色だからな。







「プラグの2番接点が青、3番接点が白、グランドが1番接点。接着する部分が決まっているので間違えないように。ハンダ付けしやすいようにそれぞれの線を整えておく(2番ホット)。業界や国によって、3番の接点に有色線を繋ぐ場合もあるので(3番ホット)、あらかじめしっかり確認しておく必要がある」








ほう。







「部材のブーツをハンダ付けする前にあらかじめ通しておく。これを通し忘れると、ハンダ付けした後に気がついて、泣く泣くハンダを外してやり直しということになる。忘れないように!」







ふむ。







「今回もラジオペンチで固定しながらハンダ付け。実際はこの写真はハンダ付けした後を写真に撮りやすいように固定の仕方を変えて撮影した物だけど」






やらせ写真。







「残りの部材をはめ込んで完成。ノイトリックのプラグは、部材の点数が少なく、極めて合理的に造られている。特にねじでとめないといけないというような箇所が無く、組み立て/分解が極めて容易に出来るようになっている」






・・・・ふむ。






「です」





で?





「完成、ですよ」





本当に誰得企画か分からない記事であったな!


強く反省を促す。




とりあえず今回はこのままで終わる。