いらっしゃいませ。
・・・いや、分かってるんですよ。ちゃんとしたメニューをですね・・・。
・・・もしくは・・・、何か付加価値を・・・。ええ、分かってはいるんですが・・・。
彼は過日、神戸市中央区・元町近辺にある紅茶の専門店、『マリアージュ・フレール 神戸店』に行ってきて、紅茶のフランス式というのを体験してきてどうもしっくりしなかったらしい。
で?どうかしたのかね。
「どうも、せっかくファースト・フラッシュのダージリンを頼んだのに、『ダージリンを飲んだ!』という感覚ではなかったんで、改めてファースト・フラッシュのダージリン・ティーを味わいたいなと思って、行きつけの紅茶専門店、『Tea House MUSICA 神戸元町』へ行って、ダージリンを頼んで感覚の違いを確認してみたいと思ったんだ」
・・・ほほう。
「『Tea House MUSICA 神戸元町』は、『マリアージュ・フレール 神戸店』の文字通り目と鼻の先にある。ちょっとわかりにくいビルの2階へ上がってあまり広くない店内へ入る。店内写真などは以前の書いた記事を参照してもらいたい」
http://d.hatena.ne.jp/aile_strike/20110408
ふむ。
「メニューを見る。今回は定番の『ダージリン・デラックス』(季節ごとの偏りがないようにブレンドされているのだ)ではなく、別のメニューに載っているお勧めのダージリンをオーダーしてみる事にした」
ほう。
ふむ。
「別添えのメニューから、“マリーボン茶園のダージリン・ファースト・フラッシュ”を頼む。ケーキも比較のためにクレーム・ブリュレをオーダーしたかったが、売り切れということで、ちょっと残念ながら代わりにバナナのタルトをオーダー」
ふむふむ。
「壁に、取り扱っている茶葉の一覧が貼ってあった。お客を煙に巻くような無駄に膨大な種類を扱っているわけではないが、それでも結構な種類を扱っている」
まあ、数揃えりゃ良いってもんでもないしな・・・。
「待つ事しばし・・・。ポットに入った紅茶とケーキが運ばれてくる。カップはもちろんしっかりと温められている」
・・・専門店ならそれが当たり前、だろうな。
というか、普通の喫茶店でもそうだと思うけどな。
「これが『マリアージュ・フレール』で感じた違和感の一つ目。それがフランス式って言うんならそうなんだろうけど」
・・・ふむ。
「バナナのタルトも登場。適度な甘さで美味い。ストレート・ティーに合わせることをちゃんと考えられているので、そこそこの甘みがある」
ふむ。
「ミルクのポット。かなりな量が入っていて、好きなだけ入れることが出来る。足りなければ改めて入れてくれるし(あまりないことであろうと思うけど)。濃くなりすぎればミルクを入れる。それ以前にストレートよりミルクティーが好きって人もいるだろう。『マリアージュ・フレール』ではストレートを勧められて、最初からミルクが付いてくることはなかった。これも感じた違和感の1つ。まあ、ポットに茶葉が入ってない時点で、濃くなりすぎるということはなくなるので、それはそれでアリかも知れないが・・・」
・・・。
「ポットは冷めてしまわないように保温用のカバーを掛けられてくる。今回はインド風のゾウさん。ちょっとしたものではあるけれど、結構保温効果は高い。もう1分ほど蒸らしてみよう・・・。これも『マリアージュ・フレール』で感じた違和感の1つ。客が好きな時間で蒸らすって事が出来るのは駄目なことなのかな?」
・・・まぬーな感じのゾウさんのデザインがいかすな。
「中の小ぶりなポット。ポットサービスされてくるお店って、良心的だと思う。このポットで、カップに3杯くらいの紅茶が入っている。ゆったりと、好きなように飲むことが出来るわけだ。他のお客さんも、雑誌なんかを読みながら、くつろいだ時間を過ごしている。ただ、人気店だけに、休日などは混み合うので、そんな時はあまり寛ぐことが出来ない・・・」
・・・ふむ。
「ポットの蓋を開け、ティースプーンで一混ぜ二混ぜ・・・。軽く濃さを均等にする。ポットを開けたとたんに、ダージリン特有の花のような香りを含んだ湯気が上がってくる。香りはセカンド・フラッシュほど“濃く”はないとおもう。ポットの中に、開いた茶葉が見えるのが確認出来るだろうか?」
・・・相変わらず写真はヘタクソであるな。
「良く、ファースト・フラッシュは一番美味しくて高級で、セカンド・フラッシュ、オータム・フラッシュと等級があってみたいに誤解している人が多いけれど、あくまで摘んだ時期によるキャラクターの違いの話であって、好みの問題。ファースト・フラッシュは言うなれば春摘み、セカンド・フラッシュは夏摘み、オータム・フラッシュは秋摘みで、それぞれに季節的な違いがあるって話で。同じ茶葉でもキャラクターがそれぞれ違うのでそれを楽しむものなんだ」
へえー。
偉そうなことを、またぶってやがるな!
「カップに紅茶を注ぐ。華やかな香りがする。もちろん茶こしを装備しないとカップに茶葉が入ってしまう」
ふむ。
「一口飲むと、かなりな渋みを感じる。タンニンの渋み。後味にほんのりとマスカットのような味が残る。『マリアージュ・フレール』では、この香りも後味も、全く感じることが出来なかった・・・。これも違和感の1つ」
・・・。
「ここでバナナのタルトを一口。美味い!紅茶の渋みにベストマッチ!」
ほう。
「熱い紅茶をストレートで二杯飲んだ。その後少し濃さを調節するためにミルクを入れてみる。これも美味い」
・・・ふむ。
「普通に、あくまで普通に紅茶を楽しめた時間でありました・・・」
なるほどな・・・。
その“違和感”とかいうものはどうであったかね。
「当たり前にポットでサービスされてくる紅茶を当たり前のように楽しむ・・・。改めてそれを認識した次第であります」
なるほどねえ・・・。
まあ、基本的に、各人の好みということで・・・。
今回はこの辺りで終わる。