Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

街猫さん

 いらっしゃいませ。


 日傘を差す女性が増えてきましたね。どんどん夏が近づいてきます。





 彼は帰宅中に、街でねこを見かけたらしい。





「街ねこさん達とは是非ともコミュニケーションを取りたいので、何とか興味を引いて貰おうとがんばってみることにしたんだ」






ほう。






「今回出会ったねこさん」







ほほう。








「明らかにどこかの飼い猫と思われる、手入れの行き届いた毛並み。完全な野良猫さんと違い、近寄っても逃げていくことはない。やはり人になれているようだ」







ふむ。






「ねこさんは、ひたすら自動販売機の匂いをかぎ続けていた。もしかしたら、他のねこがマーキングとかをしたあとかも知れない。おかげでこちらには全く無関心らしい」







ふむふむ。









「高価な長毛種にもかかわらず、どうやら庶民派らしく、画面には写っていないがすぐ後ろにはゴミ捨て場が。汚れて帰ると家の人が卒倒すると思うぞ」







意外にゴミを漁ってたりするかもな。








「ちょっと『動物のお医者さん』に登場するねこ、“フクちゃん”を思い出してしまった」






・・・ふむ。







「ようやく匂いを嗅ぐのをやめてくれたので、早速ねこさんの興味を引くように、携帯のストラップをねこさんの鼻先にちらつかせてみるが、全く無視される」







あら。







「お約束通り、指を鼻先に近づけてみるが、これもシカトされる。興味を示せば匂いを嗅ぎに来てくれるはずなんだが、全く無視」







ほう。






「ただ、逃げていったりしなかったので、まあ、機嫌は悪くないけれど、遊ぶ気もないよという事かと理解した。仕方がないので写真だけ撮らせて貰うことにした。携帯のカメラライトを点灯させても、全く無警戒。さすがは飼い猫」







高価そうなねこだな。






「あまり暗闇でしゃがみ込んで写真を撮ってたりすると、通報されかねないので名残は惜しいがねこさんとはさよならをしてきた」







相変わらず、“動物に好かれない”感がものすごいな。

まあ、懲りずに街ねこさんとはコミュニケーションを取ってみるが良い。もしかしたら仲良くしてくれるねこさんがいるかも知れないしな。



今回はこの辺りで終わる。