Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

地方とか文化とかカルチャーギャップとか個人的興味とか

 前回、途切れた鎖を繋ぐべく、青森県に移動になった話を書いたわけであるが、今回は何を書こうかと悩んでいる。


 書き出すまでは、きっと書き始めたらいつものような感じで書くことが出来るに違いないと思っていた。しかし、いざキーボードを前にしても、いつものように脳内の『自分自身』が動き出さない。

 さて困った。


 まあ、徒然なるままに、前回の補足的な記事でも書こう。いずれきっと、脳内の『自分自身』も動き始める、か・・・?


 この記事を書いている現在、外は大変賑やかなことになっている。マイクを通して唸るオッサンの声、太鼓の音・・・。お祭りだ。東北の夏祭り。

 青森県の夏祭りと言えば、『ねぶた祭り』だ。県の中心部、青森市のねぶたは全国的に有名だが、県内のそこここで小規模なねぶた祭りがいくつも行われている。K市も例外ではなく、ねぶたがまわっているのだ。


 青森県民のねぶたにかける思いは尋常ではないものがあるようだ。

「こちらにいる間に、是非一度青森のねぶたを観に行ってみて下さい!本当にすごいですから!良いもの見たなあという気分になりますよ、きっと!」
と、いうようなことを言われた。勿論これは標準語フィルターをかけた上での表記で、実際のところはおおよそこんなことを言っているらしい、くらいしか当方には理解は出来ていないわけであるが。

筆者の性格・行動原理・趣味などをなんとなく理解している方はおおよそおわかりだと思うのだが、筆者はこのようなイベントはあまり興味が沸かない。

というか、はっきり言い切ってしまえば、


お祭りなんかには、


全く興味がない!



多分見に行っても、『へー』とか言って20分くらいで飽きてしまうと思われる。



しかし青森県民は、


『是非観に行って下さいよ!』

『地元のK市のでも良いですから!』

『日本三大祭りの一つなんですよ!』

と、熱心に勧めてくる。勿論標準語フィルターで表記していますよ。


最初は『はあ』、『なるほど』とか言って相づちを打っていたんだけれど、徐々にその社交辞令がうっとうしくなってきた。早くこのねぶた大プッシュの会話を打ち切りたいのだが、県民の熱はなかなか冷めることはない。


業を煮やして思わず言ってしまった。

言ってはいけないというのは心では理解していたんだけど。

理性すらもそれを止めることは出来なかった。



「・・・まあ、興味あんまり無いんで・・・」




『・・・・・・!!!』



このときの青森県民の顔を、筆者は一生忘れることは出来ないだろう。

『何を言っているんだ、この人は?』、『ねぶたに興味がない?馬鹿な!』、『青森県を否定されている?』、etc・・・・・

このような気持ちがない交ぜになった(日本語あってますか?)複雑な表情で、しかし愕然とした感でこちらを見続けていた彼の表情を、自分は決して忘れることはないだろう。