Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

オレンジとかイエローとかミントグリーンとかならなお良かった

 いらっしゃいませ。


 ・・・いや、ちゃんと営業してましたよ?お気づきじゃなかったですか?





 彼は今回衝動買いしたエレキギターの写メをアップし、たっくん氏に診てもらおうと考えているらしい。




「この形式で記事を書くのが久しぶりなんで・・・。よそよそしい感じがする・・・」




まあ、気にせず続けよ・・・。




「形はいわゆるストラトキャスター。塗装の下にうっすら木目が見える。塗装は・・・、ウレタンかなあ?」




「まずヘッドの写真から」






「普通のストラト・ヘッドのほうが個人的には好み」



・・・まあ、差別化とか色々あるんだろ。あと版権とか。






「ブランドはG&L。日本製。G&Lは本来アメリカのメーカーで、クロサワ楽器が国内では販売している。クロサワはそのパテントをとって日本、さらに廉価版をインドネシアで制作しているらしい」





ほう。





「ネットでクロサワのホームページを見てみると、日本製G&Lは、フジゲンが制作を請け負っているとか。信頼できる工房であるらしいですが、どの程度のレベルなのかは良く知らないです。なんせ門外漢なもんで」





ふむ。





「ヘッドの裏」


「S-500という機種名らしい。ペグがGOTOHのロック・チューナー“マグナムロック”に交換されている。これはナイス・カスタム!」






ほう。






「シュパーゼルなんかと違って、固定穴を開け直す必要がないのもポイントが高い。あと、ほぼ半回転でチューニングが完了する。何回も巻き付けることなくチューニングが完結するのは、その後のチューニングの狂いが少ないことを意味している。やるね、GOTOH」






ふむ。






「ナットは・・・、牛骨?」





さあ・・・。






「個人的にはさらにWilkinsonのローラーナットに改造したいんだよねえ。でもWilkinson製のやつ、高いんだよねえ・・・。多分ギター工房とかに出さないと出来ないと思うし。指板削らないと装着できないはずなんだな」





まあ、とりあえずは現状で、だな。






「ネックは、ネット情報ではメイプルらしい。あまりメイプルらしい木目が出ていないので本当かどうかが判然としないけど・・・。この辺りはなんとなくそれっぽい木目かな?指板とネックはワンピース」






・・・木目だとか何とか贅沢なことは言うな。





「ボディはアッシュ材らしい。なんかストラトって色々な材があるけど、どの材が良いんでしょうか?」




・・・さあ。






「ピックアップは純正から“Fender NOISELESS Picup SCN”に交換されているとのこと。NOISELESSは“Vintage”と“HOT”しか知らなかったんだけど、この“NCR”というのはどんな感じなんでしょうかね?個人的にジェフ・ベックが好きなので“HOT”なら最高であったのだけれど」






ふむ。






「そもそも本物なんでしょうかね?そのあたりも判然としない。カバーのNCRの文字もほとんど消えかかってるし。噂によると、“NOISELESS”シリーズは、普通のストラトのシングルコイルピックアップより、だいぶん高さがあり、ボディ内部をザグらないとセットできない場合があるんだとか。それにこのピックアップセットは、アッセンブリもやり直さないといけないらしい。配線の具合とか、半田ののりとか種類とかは大丈夫なんだろうかというのもちょっと不安になる材料。あ、別にケスターじゃなきゃやだとかいうマニアの人ではない」






・・・。







「次はブリッジ。オリジナルからWilkinson (GOTOH)の2点支持トレモロに交換してある。オリジナルも2点支持の物が着いていたらしい。個人的にはGOTOH製のハードウェアはちょっとうれしい。・・・が!」





が?






「ここから色々と問題が」





ほう・・・。





「元々のスタッド穴に、そのまま径の大きいGOTOHのスタッドをぶち込んだのだろう。スタッド穴の周りの塗装がバキバキに」





・・・ああ。






「うまく写メに出来なかったので掲載していないけど、左側のスタッド穴からは、ピックガード方向に割れが・・・。塗装だけなら良いけれど、材にまで割れやひびが入っていたら目も当てられない・・・!」






・・・あああ。






「オリジナルからWilkinsonに交換したときに、アームの取り付け部がボディに干渉してうまく取り付けできなかったようだ。なのでボディを削ったようなのだが・・・」




あ・・・。





「あまりに素人仕事・・・。多分カッターナイフとか彫刻刀とかだな・・・。まあ、それでも良いんだけど。せめてフィニッシュは目の細かいサンドペーパーとかで・・・。ちゃんと処理しないと、ここから割れとかが出るかも知れないのに・・・」






・・・。







「さて、フローティングさせているにもかかわらず、一切アームアップできない謎を探ってみよう。というわけでバックパネルを開けてみる。あ、ねじ穴が・・・。まあ、パネルなんて、あるだけましというものか?」





割れの進行くらいは止められるか?エポキシとかで・・・。







「開けてみた。・・・む」





・・・。





トレモロユニットのブロックが、ボディーにきっちり当たっているが。これはこう言うものなの?」






さあ・・・。




「・・・たとえば、オリジナルはスタッドからトレモロブロックまでの距離がもっとあって、干渉しない構造であったということは考えられないだろうか?」






・・・。






「仮に、この状態でボディーの干渉をなくそうと思ったら・・・。①ボディーの干渉している部分を削る(電動ドリルかルーターが要る) ②いったんトレモロを外し、現在のスタッド穴を(エポキシなどで)埋め、干渉しないであろう位置(少なくとも5ミリ以上)後方まで下がるように新たにスタッド穴を開けトレモロをセットし直す・・・。それから弦高とかオクターブとかを調整・・・やり方分からないけど・・・。・・・どちらも大手術じゃないか!!!」







まあ、干渉しているところに薄いゴム板でも仕込んで、ガンガン音がしないようにだけはすぐにでも出来そうだがな。







「・・・そもそも音出るのか?ということで、PCのオーディオインターフェースがハイ・インピーダンスも入力できるタイプなので、適当なケーブルで直接入力してみた。ぴょーん。少なくとも全部のピックアップは鳴るようだ。ノイズは・・・、まあ、少ないのかな?TONEは・・・、あんまり効いてない感じ。まあ、基本単なるローパスなんで」






なるほど・・・。







「さて、ギターを弾く皆さん、どうでしょう?」






あんまりリペアとかに出費がかさんだら、本末転倒になってしまうからな。

注意せよ。


今回はこの辺りで終わる。