数日前の話。2012年12月26日の夜の話である。
巷では、というか、主に関東の都心圏では、12月24日〜25日のクリスマス期間に寒波が訪れたとか何とかでニュースになっていた。
リンゴの国とて例外ではない。気温はぐんぐん下がり、町は大雪に沈んでいった・・・。
しかし、問題はその次の日、12月26日であった。昼過ぎからどんどん降雪量が増え、午後にはどか雪になり、夕方からは吹雪となった・・・。
朝から仕事場に止めたままであったクルマは白いこんもりとした雪山にしか見えない状態になり、凍結防止に立てたままにしてあったワイパーだけがにょっきりと突き出ている状態に。まるで白い甲虫が、触角だけを立ててうずくまっているような状態に見える・・・。
夜、21時半くらいにアパートに帰宅して、手を洗おうと蛇口(湯沸かし器と繋がっている)のカランをひねろうとしたら・・・、カランが回らない・・・!慌てて冷水側の蛇口のカランもひねってみるが、これも全く動かない!
・・・凍っている?・・・水道、凍結・・・?!!!
湯沸かし器の電源は入っている(リンゴの国では365日湯沸かし器の電源を切ってはいけないそうだ)。カランが回れば、お湯が、出る、のか?
湯沸かし器にカランを改めて回してみる。徐々に力を入れて、ゆっくり、ゆっくり・・・。カランの内側で、“ゴリッ”とか“ジャリッ”とかいうヤバイ感じの音が聞こえるが、ともかくカランを全開まで回してみた。
・・・無反応。水は出ない。・・・ダメか?
しかし、しばらくして“ズココッ”という音がして、水がちょろちょろと出始めた!やった!!この調子で・・・!
何とか湯沸かし器が動作するくらいまでの水量が回復したところで、蛇口付近で“ブシュッ”という音がして、蛇口に取り付けている浄水カートリッジの取り付け口から水が噴き出し始めた!
慌てて水を駐めて浄水カートリッジを取り外して状態を確認してみたら、カートリッジ内部のフィルターに残った水分が軒並み凍結していて、水が正常に流れない状態になっていた!とりあえず取り外しておかないと仕方がないようだ・・・。
改めて湯沸かし器の蛇口をひねると、ズココココ・・・と変な音を立てながらもお湯が出てくるように。ただし、しばらくは茶色く濁った状態であったが・・・。しばらくして何とか普通に出てくるようになった。心配なので、しばらく出しっぱなしにしておく。
この時冷水のほうは、未だにカランすら回らない状態であった。無理矢理回せばとも思ったが、それすら躊躇させる固まり方。回せば多分、中のコマまで死んでしまう・・・。
湯沸かしの温まりきらないお湯を少しずつかけてみたりしながら様子を見る・・・。お湯(驚くほど温まらない!)を少しかけては回し、少しかけては回しをしばらく続けて、やっとカランを全開まで回すことに成功。回しきったところで、もちろん水など出てこないわけだが・・・。
湯沸かし器から出るぬるい湯を、今度は電気ケトルに。電気は生きているので、これで沸騰したお湯を1リットル確保できる!
待つこと暫し・・・。
沸騰したお湯を少しずつ冷水の蛇口付近にかけていく・・・。30秒くらいしたところで“シュゴッ”と音がして冷水が少し出てきた!
来た!この調子!
さらにお湯をかけると、やはり濁った水が出てきて、徐々に正常な水が出始めてきた!
ふう・・・。何とか第一関門突破。
しかし、前回体験したリンゴの国の冬では、流し台の水道関係は凍結したことがなかった。トイレの水は凍結したりしたけれども・・・。
というわけでトイレも確認。
便器内にたまっている水は、がちがちに凍っていた。まずこれを溶かさないことには、流すことすら出来ない。再び電気ケトルお湯を沸かす。
沸騰した湯を便器内の氷へ。もうもうと湯気が立つ。アンモニア臭い。氷は・・・、溶けない。この程度の湯量ではダメと云うことか。さらに1リットルお湯を沸かす。電気ケトルはすぐにお湯を沸騰させてくれるが、いかんせん一度に沸かせる量が1リットルまでだ。お茶を飲んだり、カップラーメンを食べたりするには便利なのだが・・・。
二回目の熱湯でかなり溶けてきた。残りはトイレブラシで砕いた。
因みにトイレブラシは、ブラシの先端に残ったわずかな水分が凍りつき、当初ブラシ立てごと持ち上がってきた。
便器内の水が溶けたところで、試しに水を流してみる。が、タンクから水は流れ出て来るも、案の定タンクへは水は供給されない。供給側の上水パイプがどこかで凍っているのだ・・・。昨年凍結で苦労したので、凍結防止帯を巻き付けているにもかかわらず、だ・・・。因みにこの凍結防止帯は、小さなセンサーが付いており、パイプが凍りつきそうな温度になると、自動的に凍りつかない程度の温度で発熱するというもので、凍結を防止するという微々たる能力はあっても、その能力を上回る低温には全く意味をなさないし、ましてや凍りついた物を溶かすほどの高温で発熱するという代物ではないのだ・・・。
ともかく、上水パイプのトイレ内で露出している部分が凍っているなら手を打てないわけではないので、策を練ってみる。
策と云うほどでもなく、再び電気ケトルでお湯を沸かして、パイプにかけてみると云うだけなのだが・・・。
パイプの根本にぞうきんを敷き詰めて、パイプにお湯をかける・・・。回復の気配無し・・・。
再び電気ケトルでお湯を沸かしながら、その間に、熱湯でアツアツになってしまったぞうきんが冷えるのを待つ。冷えたぞうきんを絞り、再びパイプの根本に敷き詰め、沸騰したお湯をかける・・・。
こうした作業を三回ほど繰り返したが、事態は全く好転しなかった。パイプは、露出していない、壁の中の、もっと奥で凍結しているのだ・・・。
これでは用を足せない。阪神淡路大震災の頃を思い出す・・・。ともかく、用を足したら鍋に水をくみ、それで流すしかない・・・。流しの蛇口が生きているのが救いだ・・・。
次に洗濯機。おもちゃみたいな安物の全自動洗濯機を使っているのだが、全自動洗濯機なので当然カラン全開状態で繋がっているわけなのだが・・・。こいつもカランが全く動かない。蛇口付近にお湯をかけてみようかとも思ったが、洗濯機が邪魔で如何ともし難い。
・・・洗濯も無理か。まあ、これに関しては、コインランドリーを利用すれば生きていくことは出来るか・・・。
トイレにしろ洗濯機にしろ、怖いのは凍結からの水道管の破裂だ。そのため、アパートに入居するときに『冷え込む夜などには水抜きをお願いします!!』と云われていたのだが・・・。まさか昼間の間に凍結してしまうとは・・・。
風呂場へ(場所ごとに別々に書いているけれど、もちろんほぼ同時に並行して確認および作業をしてますよ)。浴室内はあり得ない冷え込み。床にお風呂座椅子を置いているのだけれど、足で蹴っても動かない。“?!”と思って持ち上げてみるが、びくとも動かない。完全に凍結している。これは床面に置いておいた洗面器も同様であった。
プラスチックの籠にシャンプーとコンディショナーを入れておいているのだけれど、シャンプーを持ち上げたら籠ごと持ち上がってきた・・・。
風呂場の水道のカランは、案の定全く動かない状態に・・・。・・・無駄な努力かも知れないが、これにもお湯をかけてみるか・・・。
ついでにシャワーヘッドを持ち上げてみたが、ビニールパイプ内の水分がほとんど凍っているらしく、“バリバリバリ・・・”という異音を立てながら持ち上がってきた。
お湯を沸かして風呂場の蛇口近辺にかけてみる。何とかカランは回るようになったが、水自体は全く出てこない。流し台の湯沸かし器と繋がっているのだが、こちらは全く反応無し。これも壁の中のどこかで凍っているということか・・・。風呂にも入れないということか・・・。
この状態になるには、多分瞬間的に氷点下10度以下に下がったとかではないかと思う。屋外ではなく、屋内が!
・・・この後も夜に1時くらいまで温めたりなんだりを繰り返していたが、結局自体は膠着状態のままであった。
・・・そういえばお腹が空いたな。帰るときに買っておいたコンビニ弁当を食べて、もう寝よう。朝には好転しているか?ダメなら水道工事の業者に連絡して・・・。
弁当を食べ終わって、割り箸を再利用しようと思って流しで洗おうとしたら、食器洗いのスポンジがガチガチに凍ったままだった・・・。
追記
12月28日の夕方に、何とか正常復帰しました。水道管の状態がどんな状態であるかは、次の水道料金の請求が来るまで分かりませんが、ちゃんとした検針は3月まで来ません。
12月27日の朝は、事態は好転していませんでした。水道工事の業者に電話すると、最初に電話した大手K社は東北・北海道の水道凍結に関する依頼はあまりに多すぎてすべて断っているとのこと。次に電話したM社もここ数日の寒波で凍結トラブルが頻発し、工事が手一杯で今依頼しても作業は三日後くらいになってしまうとのこと。こちらのスケジュールもあるのでうまくかみ合うのは新年明けて1月4日になりそうな雰囲気でったのだけれど・・・。何とか12月28日に天候が回復、気温が良い感じで上昇してくれたおかげで朝に洗濯機、午後に帰宅してからは風呂場のお湯が回復。改めてお湯をかけてパイプを温めることでトイレの水も回復。さらにバスタブにお湯を溜めて風呂場全体を温めること2時間、風呂場の水も復旧しました。
さて。冬はまだまだ長いですよ。まだまだやられるんでしょうかね・・・。