Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

読書感想文 『青年のための読書クラブ』 桜庭一樹 著 を読んだ

 いらっしゃいませ。

 雪解け、間近。

 水温む季節。 は、まだ先かな・・・。



 彼が久しぶりに読書感想文を書くらしい。本気なのかどうなのか。

 なにを読んだのか。



桜庭一樹氏の『青年のための読書クラブ』を読んだので、感想を書こうかと。と云っても読み終わってから結構時間が経っちゃってるんだけどね」




ほう・・・。





「いやあ、これは面白いですな。読後の不思議な爽やかさは一体何なんでしょうか」




何なんだとは、何なんだ?

ひとまずそれは置いておいて、少々ストーリーとかに触れてみるかね。礼によってこれ以降ネタバレ注意報となるので注意されたい。




「二十世紀初め、フランス出身の修道女・聖マリアナにより東京の山の手に創立された“聖マリアナ学院”。歴史と品格に満ちた、私立のお嬢様学校。乙女達が独特の世界を築く学舎の中で、伝統あるクラブ活動の本流からほんの少し外れた“読書倶楽部”。このクラブに所属した少女達が、学園の正史に残らない、かつ自分たちが関与してしまった事件を“読書クラブ史”として書き残していく、全5章からなる連作短編。1970年代から少子化問題をはらんだ2010年代、それに20世紀初頭の学園創始者の秘密。ちょっとシニカルな目線の乙女達が綴る、学園の物語・・・」




・・・全くまとまらないあらすじであるな。



「この作品とか『赤朽葉家の伝説』とか『少女七竈と七人の可愛そうな大人』とかの桜庭一樹氏の文体は本当に好きだ。何だか少し長めの日本刀をざく、ざく、と振りおろす感じというか。文章の造りがとにかく爽快。その爽快な文章が、登場する乙女達に骨太な力を与える」




・・・ふむ。




「自分は初期の森見登美彦氏の本が大好きなんだけど、『【新釈】走れメロス 他四篇』あたりの、ちょっと軽めの刀で手数を多くざんざん押してくる感じが好きだったんだけど、路線をソフトに変更しちゃった感じはちょっと『?』な感じ。対して、昨今の桜庭一樹氏の切りつけてくる感は本当に爽快になってきたと思う。個人的には『私の男』の路線よりも、この『青年のための読書クラブ』や『赤朽葉家の伝説』とかの感じの方が読んでいて気持ちが良い」





ふむふむ。





「これはストーリーの進行のテンポ感では無くて、文体のテンポ感だと思う。言葉の選び方や、体言止めの潔さ。そこに乙女達の力強さを見る」





ふむ。




「別にアクション小説でも、青春って熱いぜ!みたいな小説でも無いけれど、ワクワクドキドキで、ささっとラストまで読み切ってしまう。そしてラストはお約束の栄枯盛衰で静かに、静かに幕を下ろす」





・・・。




「ただ、個人的にはちょっとラストが薄いかな?まあ、過去も未来もある物語なので、後日新たな物語が生まれてくるんだろうけどね・・・」





ふむ・・・。

感想は終わりかね。


で、どうかね。この作品はおすすめ出来る感じかね。





「面白いです!お薦めです!現役の女子高生にも、昔の女子高生にも、通勤途中のOLさんにも、もちろん普通の本好きの方にもお薦めです!」




お。褒めておるな。

まあ、また何か読んだ本があったら感想を書くと良い。

今回はこの辺りで終わる。