Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

短い 読書感想文 『梟の城』 司馬遼太郎 著 を読んだ


やっと読み終えた。

時間がかかった。

文章がどうのとかいうより、単純に読む暇が無かった。


まあ、確かにスピーディーな文体(文章?)では無いけれど。個人的には司馬遼太郎氏の、『講談師的』な語り口の文章、結構好きなんだけれど、この作品ではまだあのスタイルが確立されていない、のかな?

例によってネタバレ注意で。読み終えたばかりでまだ感想を美味く租借出来ていないので、ちょっと箇条書きっぽく。粗い感想。


まず主人公の葛籠重蔵(つづら・じゅうぞう)が文句なくカッコイイ!これは、日本の制作会社がアニメ化して、アメリカで(←ここ重要!)深夜枠で(有るのか?アメリカにノイタミナ枠みたいなの)放送すれば人気爆発間違いなし!!

初手から感想文では無くなっているけれど、これは書かずにはいられない!

誰しも思っていることであろうと思うけれど、重要なポイント!


実写ではなく、アニメ!(重要!)別に2Dでも3Dでも良いんだけれど、ピクサーとかが創るのでは無くて、日本の制作会社が、光と影と、外連味と、侘びと寂と、大義に生きる男の美しさと、滅びの美学と、愛と情に生きる女の信念と、武士の剣術の動きと忍びの暗殺術との動きの違いをしっかり反映させつつ、できる限り原作に忠実に(←重要!!!)!


ふう・・・。


 まず、アメリカ制作で実写化するとまた金髪のアメリカン・ニンジャが出来てしまうわけで・・・。またキアヌ・リーブスさんとかがニンジャ・ソードでみたいなのにしかならない気が・・・。日本人が演じても、うーん、だ、誰が演ずるの?葛籠重蔵。お、お、織田裕二
 そういえば実写映画、有りましたね、確か中井貴一さん主演?篠田正浩監督にはこういった感じのイメージだったんですな・・・。個人的にはもう少し若い感じで読んでたんですけどね・・・。

 蛇足ながら、本を読んでいる最中、主人公・葛籠重蔵は、村田蓮爾さんが描く渋い男性キャラクターで脳内再生されておりました・・・。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E7%94%B0%E8%93%AE%E7%88%BE

 やるなら寺田克也的な?ちょっと違うか・・・。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E7%94%B0%E8%93%AE%E7%88%BE


 あと、こういったものは、本格的に日本で作り込んで、アメリカで放映しなければなりません。残念ながら日本で放映しても売れません。だが、アメリカなら売れる!確実に売れる!多分、これこそが“COOL JAPAN”!

 ただし、本気でやらなければなりません。アクション巨編とか、アサシン・マスターとか要りません。必要なのは日本人の美意識。“光”、“影”、“律”、“侘”、“寂”、“忍”、“生”、“死”、“史”・・・。“史”に関しては別にアメリカ人さんを置き去りにして話進めちゃっても良いと思います。ムーブメントが起これば向こうのオタク達が『ヒデヨシ・トヨトミ』とか『ノブナガ・オダ』とか『ミツナリ・イシーダ』とか勝手に調べ上げて付いてきます。オタクとはそうしたもんです。


 映画ではいけません。毎週放映です。2時間の短い尺に入れこもうとしたって、絶対に収まらないし、そんな作り方をしたら結局『全米が震撼したアクション巨編』、『全米興行収入ナンバーワン!(*月*日において)』みたいのにしかならんのです!


 見せたいのはチャンバラ・アクションだけではなく、例えば「乞食にまで身を落とした元・伊賀忍者名張ノ耳”が、もう一度忍者に戻る気概を見せるために“黒阿弥”に自ら手を縫えと云われるシーン」とか、「伊賀のくノ一・“木さる”が多勢に囲まれて殺されそうになったとき、自ら敵に斬られに行くシーン」とかですよ!ね!


 グッズ、売れます。確実に売れます!

 版権、どこですか?どこが持ってるんですか?新潮社?
 ウハウハのザクザクです。

 「うにばーさる」と「でずにー」で綱引きです。
 ハリー・ポッターのテーマパークの横に、『Kyoto-City.from "owl's castle"』とか『Fushimi-Castle.from "owl's castle"』とかが出来るわけです。下手したらシンデレラとかが天守閣にいるかも知れません(※原作では秀吉は暗殺を恐れて伏見城天守を寝所に使っていなかったという設定でしたが)。

 ここまできて日本の広告代理店とかがやっと『逆輸入しよう!』とか考え始めるのですが、その頃には世界的なブームやムーブメントは終わってしまっているという・・・。
 ここまで考えました。


ふう・・・。


 ここに来て、何一つ感想を書いていないという事実が・・・。


 生きるために、なにが必要?思想?宗教?愛?目標?

 人は何のために生き、なにに殉ずる?

 その信念は、正しいか?それよりも美しいか?

 という芯を持った、忍者武芸エンタメ小説。