2010/03/20を少しずつ振り返ってみる 3
いらっしゃいませ。
・・・こちらがいつものヨドガワ・ブレンド。そしてこちらがプレミアムなピュア・ヨドガワ・ブレンドです。
え、違いですか?・・・今回このためにより淀川流域に近いところの水道をお借りしてですね、・・・違わないですか?違いが分からない?
あれ?おかしいな・・・。
さて、もう三回目になるか?2010/03/20を少しずつ振り返っているのであるが、ついに彼が大阪厚生年金会館にたどり着いたところから始めよう。それで良いのだな?
「お約束のように道に迷ったりするのだが、その件は・・」
不要。
「・・・そうですね」
彼が大阪厚生年金会館にたどり着いたときはあたりはまだまだ明るかった。なにせ、開場16:30、開演17:00である。この手のイベントとしては少々早い時間設定である。これにはわけがあったのだがまた後ほど書こう。
「今回は『が〜まるちょば』初体験の4人組で言って参りました」
メンバーを一応確認しておこう。たいしたトピックではないが。
同じく彼と音響チームを組むAO嬢。同じく素敵女子。役者もこなす
今回の小屋である大阪厚生年金会館芸術ホールは、同施設の大ホールに対し小ホール的な扱いだが、それでも1000人越えの立派な会場である。彼らは二階席最前列の少々上手側(観客が舞台に向かって右側ね)という場所のチケットをとっていたのだが、果たしてどこまで見えるかが少々不安であった。なにせ広い舞台上に演者はたった二人。これでマイムと大道芸、そして身振り手振りと表情で見せようというのだ。見えるのか?
開演前、舞台上にはジュラルミン製のトランクが1個。袖幕と大黒を吊っている以外は舞台上にセットなどは何も無い。
5分押しで開演。ぴっちりスーツにモヒカン頭、サングラスの二人組が登場!彼らが『が〜まるちょば』!
プログラム通りにまずはストリートで培った客いじり(?)からスタート。最初はかなり無理矢理な感じで会場を暖めようとしている感じであったが、元々観客は彼らの『笑い』を楽しみに来ている人たちだ。すぐにホール全体が彼らのちょっとキッチュな感じの大道芸に引き込まれていく。
「『サイレント・コメディー』ということなので、全く無言のマイムだけで構成されているのかと思ったが、この最初のコーナーに関しては世界で共通に伝わるであろう『うめき声』で「んんん」とか「むーん」てかんじで観客とのコミュニケーションをとっていた。別に無言にこだわる必要もないな、世界の路上でパフォーマンスするならと納得してしまった」
彼らはとにかく観客をいじるのが上手い。身振り手振りで観客をあおり、二階席の彼らもすぐ舞台に引き込まれることとなった。
「ステージに近い席で観たら面白かったと思うね、このコーナー。でも、客いじりに合うと恐らく緊張でショック死してしまうので2階席で良かった。かな?」
「間とかタイミングとか表情とかが絶妙。このタイミングの取り方が『芝居の息』とか『舞台の間』とか言われるものなんだと改めて実感」
良く舞台に携わったりしているキミだが。
「しっかりした物を見せられると勉強になるね。たった二人の人間が1000人超の観客を釘付けにする」
「客いじりコーナーは面白かったがもうちょっと短くても良かったかな?」
そして客いじりの次は、衣装チェンジの間をとってからマイケル・ジャクソンのステージのADがなぜかブルース・リーというサイレント・コメディーここからは彼らは本当に無言で、身振り手振り、それに音響と照明の力を合わせて見事なショート・スケッチを披露する。
「まず、マイケルのちょっとした動きの特徴とかのつかみ方が非常に上手い!」
マイケルの決めポーズとか、特に『指をさす』ポーズの決め方が絶妙であった。
「あと、お約束のような『サス(サスペンションライトの事ね)芝居』が分かり易くてものすごく笑えた」
舞台に関わると演者にサスが当たることの重要性を理解してるから余計におかしかったようだね。
「演者の表現力に、照明効果+音響効果。それらが相乗効果で盛り上げる。分かり易く当たり前の図式なんだけど、こうしっかり見せつけられると改めて『舞台』の力を見せつけられた感じ」
次にまた衣装チェンジの間を挟んで『透明人間』のショート・スケッチ。舞台上には二人しかいないが、彼らにいたずらをする第3の登場人物(透明人間)がちゃんと「認識」できる!
「内容に触れたくなるけど、まだ全国ツアーの最中であるようなのであまり触れることが出来ません・・・。ネタバレには注意して、おります、が、ばれちゃってたらごめん」
その後15分の休憩の後、なんと後半は1時間近くをたった二人で、しかもサイレントで演じきるという出し物、『ボクサー』。
「これだけの尺になると、もはや二人芝居の域!」
これも二人の身振り手振り、表情、マイム、ちょっとした小道具で観客にストーリーを伝えていく。
「もちろん、これも音響・照明の効果が最大限生かされている」
それと衣装の早替えがかなり効果的だったようだな。
「本当に二人だけでやってるのか疑いたくなるほどしっかりとした構成とそれを支える衣装チェンジ。恐らく舞台袖は戦場になっていたと思います」
スタッフワークという物は本当に重要だな。
そして2時間の舞台を二人で乗り切って舞台は幕を下ろすわけだが。
「(カーテン)コールが2回だったんだけど、2回終わったところで『以上をもちまして・・・』の会場アナウンスが流れて・・。多分3回目のコールを観客はする気満々だったと思うし、3回目が来たら多分スタンディング状態だったのではと思うのだが・・」
何人かの方は立ってたようだね。
「なぜコールが2回しかなかったかというと・・・、これは前述した開演時刻が早めなのとも関係あるのだが・・・」
ほう。
「今回とったチケットが追加公演だったんだけど、公演スケジュールを見ると彼らは休演日を入れずに翌日には静岡県の焼津で公演となっていたのだ!」
まさか、公演終了で即バラシて夜の間に移動して・・?
「そう、乗り打ちの可能性がある!」
恐るべし・・・。ということは演者の二人は公演後に即、新幹線。スタッフにいたっては夜通し5〜6時間かけて静岡まで車で移動。会館時刻と同時に搬入開始即仕込みという感じか?大変だ・・・。
「長々とカーテンコールなんかしたくないということなんじゃなかったのかなと・・」
舞台に構造物が無く仕込む物が少ないとはいえ、翌日に静岡とは・・・。
「タフでなければ生きていけない・・・」
その後、公演終了後に彼らは大阪厚生年金会館にお別れをした。
大阪厚生年金会館は、2005年に施設保有権が社会保険庁から独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構に移管され、他の厚生年金会館と同様に施設の民間への売却が検討されていた。
しかし、ほぼ同規模のコンサートホールであるフェスティバルホールが2008年末で建替えのため一時閉鎖されており、ほぼ同時期に大規模コンサートホールが一度になくなることに地元の懸念が強く、大阪市でも14万人もの署名を集めて存続運動が行われたが、年金・健康保険福祉施設整理機構からの指示により、民間への売却が確定。
終了時期延長などの紆余曲折はあったが、結果的にオリックス不動産が落札。オリックス不動産は分譲マンション及びホールとして活用する旨の表明をしているが、2010年(平成22年)3月31日をもって厚生年金事業振興団による営業を終了する予定となっている。
この後どのような形になるかは分からないが、彼らにとって現在の大阪厚生年金会館はおそらくは見納めになるのだ。
「記念に写真を撮って参りました」
「桜もちらちらと咲いておりました・・・」
「一時的とはいえ、大阪から大規模なホールが2つも無くなってしまうのだ・・・。劇場がどんどん無くなっていっていると言われている大阪。維持管理も難しいと思うが、文化を発信する場所が無くなっていくということは文化そのものの衰退につながりはしないかとちょっと大げさな懸念を持ってしまったりするわけです・・・」
まあ、そんなことは秒殺で頭の中から消し去って、居酒屋になだれ込んだわけだな。
「・・・まあ、ちょっとは文化についても話しましたよ」
話の大半が『聖闘士星矢』(←すごい!一発変換!)だったと噂には聞いているが。
「・・・ただの噂です・・」
まあ、良い気分転換になったようだな。これからも良質の公演を見つけてレポートに励むのだぞ!キミは万年ネタに困っているのだからな!
「そして前回に引き続きいきなり宣伝を始める」
彼の知人で風船パフォーマー・『足長のゆ〜じ』が4月に役者として舞台に立つというので告知しておこう。
公演名は、『世界平和家族 〜とある家族の家庭の事情(バックボーン)〜』というそうだ。
「ゆ〜じ」が所属するパフォーマンス集団
ISC Player(s)のホームページ
http://www.k4.dion.ne.jp/~isc-hp/
そして公演する劇団、「よろずやポーキーズ」のホームページ
詳細は上記で見てもらいたい