数日前に、観劇してきた芝居の感想を書いた。
その書いた感想以外にも、重箱の隅をつつくような事を色々と考えながら帰りの電車に揺られていた。
その幾つかはスタッフワークに対してであった。ここではその内容については書かないが、観終わった観客が、スタッフワークについて、出来るだけ感想を持たないような仕事をしなければと改めて思った。
スタッフワークは自然に、芝居に溶け込んでいるように・・・・。お客さんが芝居に、物語に、演技に身をゆだねられるように。上演後に『面白かったね』と、お客さん同士で会話が弾むように・・・。
スタッフワークの不備はお客さんを不安にさせる。
『出来て当たり前』を要求される。
稽古中は、『こんな事出来ねえよ』と愚痴り続けても、必ず本番当日はやってくる。そこで実際に板の上に立つ表現者達が安心して自己を表現出来るように、スタッフは邪魔をせず、静かに、表に出ず仕事をこなしていかなければならないのだと・・・。
騎馬戦で、馬役がへろへろでは、どれだけ騎乗者が実力を持っていてもすぐにその騎馬はつぶされてしまうだろう。
スタッフワークは騎馬戦に似ている。『見えている』のに『見えていない』ところもなんだか似ている。馬がつぶれると全てがつぶれる。裏方がこけたら、芝居の全てがこけてしまう・・・。騎乗者が安心して合戦に臨めるように、しっかりと支える・・・。
ちょっとそんな事を考えながらの観劇後の満員電車のなかであった。