Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

記憶/思い5

 神戸で被災した時、たくさんの人のお世話になった。お世話になった記憶がなくても、被災した人は多かれ少なかれいろいろな人のお世話になっている。それはボランティアの人かもしれない。しかし、その多くは役目を持って仕事として最前線で働く人たちだ。



 自分にも家族があるであろう、役所の人たち。


 消防の人たち。当時はあちこちで火災が発生した。


 レスキューの人たち。


 治安維持に努めてくれた警察の人たち。


 昼夜問わずライフラインの復旧に努めてくれた電力会社の人たち、ガス会社の人たち、水道会社の人たち、電話会社の人たち。

 
 交通機関の復旧に努めてくれた鉄道関係の人たち、バスなどの会社の人たち、その他交通関係の仕事に携わってくれていた人たち。


 がれきだらけの道路を復旧してくれた土木関係の人たち。


 食料の配給に尽力してくれた人たち。


 避難所や仮設住宅を訪ね歩いてくれた郵便屋さんや宅配業者さん。



 ああ、列挙し出したらきりがないくらいの人たちに助けられていた。そうした人が今回の地震でも活動してくれている。


 あと、被災者が多くお世話になったのが、自衛隊の人たちだろう。がれきの中を生き埋めになった人がいないかを確認して回り倒壊寸前の家屋やビルにも入り込んで行方不明者を探し、遺体を運び、急ごしらえの避難所を提供してくれ、救護室で具合の悪い人を診察し、水・食料の配給、さらにお風呂までしつらえてくれた。



 普段は無駄な軍備だとか言われて世論にたたかれる。そしてこうした災害時には最前線に送られる。頭が下がる思いだ。


 みんな必死で復旧作業にまい進している。それだけは被災地の皆さんにも理解してもらいたいんだ。


 救助が遅いであるとか、物資が届かないであるとか、避難所が暮らしにくいであると、そういった不満はあるだろう。でもそれを怒りにして最前線で頑張っている人々にぶつけないでほしい。情報も確かに来ないだろう。救助も遅いだろう。その不満をどこにぶつければいいのか、確かにわからなくなってしまうだろう。でも被災者の皆さんもこれだけは考えてほしい。最前線の人で、全力で復旧作業に当たっていない人なんていない。名もない英雄たちが地道に昼夜を問わず努力を続けているんだと。

 外部で被災地の安否を気遣っている皆さんも、この名もない英雄たちを応援してあげてほしいと思うんだ。



 追記

 昨夜は静岡近辺が揺れた。かなりな揺れであったらしい。東南海地震的なものではないという。また今回の東北沖地震との因果関係も分からない状態だ。ただ言えるのは、この上ほかの地域に何かあった場合、そちらに人員を割かなくてはならなくなり、現在の被災地での捜索活動に支障が出る可能性があるという事だ。余震も続いているが、これ以上何か起こらないことを祈るばかりだ。