Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

スピーカーが来た / JBL Control 5

 いらっしゃいませ。


 どうでもいい話なんですが、子供の頃って、夕日がものすごく大きく感じませんでしたか?あと満月とか。

大人になると、あの大きさを体感できないんですよねえ・・・。






 彼は自室のオーディオ機器に手を入れようとしているらしい。

で、何をするつもりなのか?





「これまで、ものすごい安っぽいアンプに、その能力に全くそぐわないスタジオ用のニアフィールドモニターを繋いで使っていたんだけどね」





ふむ。






「これが結構な本気スタジオ機材であったので、安いアンプでならしても全くうんともすんとも言わなくて」






・・・?






「何というか、鳴っているんだけれど鳴っていないというか・・・」





・・・ふむ。






「まあ、とにかく鳴らしきれていなかったんだ。それでもあまり色の付いたモニターで音を聴くと、何がフラットなのか分からなくなってしまうんじゃないかという思いでそのモニタースピーカーで普通に音楽とかを聴いていたんだけどね」






ふむ。





「狭いアパートに引っ越すと、大きめの音量で鳴らせなくなったので、余計にスピーカーが反応しているのかどうかが分からなくなって」






ほう。






「それで安くても良いから汎用のスピーカーを付けようと思っていたんだ」






ふむ。






「で、オークションを見ていたら20年くらい前に聴いて良かった記憶のあるスピーカーが出品されていたので落札してしまった。このたびそのスピーカーが届いたので早速アンプに接続してみた」






ほう。






「こんなやつ」






・・・ほほう。







JBLの昔々のスピーカー、Control 5。Proではない」






ふむ。






「昔音を聴いたとき、結構抜けが良く、その割に色づけが少なく、華やかで、値段の割に良い音だという記憶があったので購入」






ほう。






JBLというブランドは当時はやはり憧れであったし」






まあ、ブランド的にはオーディオエンスーにはおなじみのブランドであるしな。






「ずっと昔から同じシリーズのControl LAを使っているしね。今でもサテライトスピーカーに使っているし。時々現場にも引っ張り出すし」






ふむ。隠れた名機であるな。






「本当は当時はControl 3 Proが欲しかったんだけどね・・・。まあ、それは置いておいて。今回このControl 5を落札したきっかけとしては、出品者がウレタンエッジを張り替え済みであるという記述があったからなんだ」






ほう。






「ウレタンのエッジはどうしても時間が経つと加水分解でボロボロに崩れて全く役に立たなくなってしまう。良くて10年、普通は5年も使えばもう限界がやってくる。せっかくの良いスピーカーでもほとんどがそれで使い物にならなくなる」







ふむ。






「しかし、古いスピーカーを愛用している人達は、自分でそのエッジを交換してしまうそうだ。今回もそうして再生(?)されたものだ。普通に考えれば20年近く経っているわけだから、まともな状態のものなど残っている方が少ないだろう」






・・・ふむ。






「本当のところを言うと、今回もControl 5 Proが欲しかった。当時の記憶からすると、ツィーターがチタン製であったと記憶している。今回購入したものはおそらくアルミ合金製のツィーターだと思われる。それでもControl 1などの樹脂製のツィーターに比べると確実に高音が伸びるんだけどね」






・・・。






「・・・そんなこんなで早速音出しをしてみたんだけど、これがまあ、全く音が前に出てこない」





・・・ほう。






「高音域は結構来るんだけどね。ツィーターが活発に駆動してる証拠だろう」






ふむ。






「ものすごく安物のアンプで鳴らしているというのを差し引いても、とにかく音がぎこちない。なんだろう、イメージとして・・・、中年の自由業のオッサンが、初めてスーツを着て面接を受けに行くような感じというか・・・」






なんだそりゃ。






「ジャズっぽいものを聴いても、JBLらしい色っぽい感じは皆無。ロックものを聴いてもどうもキックの粒とかがもけもけだし」






・・・ほう。





「ボーカル物も、どうも前に出てこない。キラキラした物がないというか、硬いというか・・・」







・・・ふむ。







「・・・年代物のスピーカーの割に熟れていないというか、鳴りきっていない感じというか・・・」






というと?







「これはあくまで想像だけど、出品者がエッジを張り替えてからあまり鳴らしていないんじゃないかと」






ほう。






「新しいエッジがまだ上手く動いてないんじゃないかと思うんだよね」






ほほう。







「なのでしばらく鳴らしこめばもっと印象が変わるんじゃないかと思うんだ」







いわゆるエージング作業ということか。







「まあ、高価なスピーカーではないんで、そんな理想的な音が出るというわけではないと思うけどね。そもそもユニットもJBLが作ったユニットが付いているわけじゃ無いっぽいしね。限界はあると思う」







ふむ。







「それでも少し鳴らし込んでみようと思います。もう少し表現力が豊かになるかも知れません・・・」






なるほど。






「もしこれが良い感じになったら、次はセンタースピーカーがあまりに安物なので、そこが気になってくるかも知れませんが」






まあ、なんだかんだいってお金を掛けて購入したわけだからな。無駄にせぬように努力をしたまえよ。

今回はこのくらいで終わる。