Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

 いらっしゃいませ。


 昔、神戸の街を訪れた船舶が、神戸港で積み込む水を大変ありがたがったそうですよ。腐りにくく、旨い。

「コウベ・ウオーター」なんて呼ばれていたそうです。現在の新幹線の新神戸駅を更に山に分け入っていくと、布引貯水池ってのがあって、現在も近隣の一部の地域では利用されているそうです・・・。


うちですか?

ここら辺は「ヨドガワ・ブレンド」ですが・・・・ははっ、知ってるくせに。



 彼が以前に、ある劇団の稽古に参加していたときの事である。台本のト書きに一言

『ここで役者一ネタ』


これはかなりハードルの高いト書きである。役者達はコメディアンではないし、そうそうネタなど出てくるわけがない。


必死でネタや一発芸をひねり出してもそれを演出が使うかどうかも分からないし、そもそも客に受けるかどうかも分からない。しかもその前に稽古で出演者達に披露せねばならず、その時点で凍えるような空気を作ってしまうかも知れない。


 
 とにかくその無責任な(?)ト書きを与えられた役者は、その「一ネタ」を絞りだそうとしばらく必死になっておった(なんだか2、3回この「役者ここで何か」とか「役者ここで一ネタ」ってのを見たことがあるが、関西の小劇場には多いのだろうか?)。

もちろん何度も何度もいろいろなネタを稽古場で披露するわけだが、これがことごとくすべる。そりゃそうだ。芸人じゃないし。


 そんなある時、ふっと面白いなあという「一ネタ」が出来た。まだみんなクスクス笑いであったが。

どうやら何とかなりそうなのでそれで行こうと言うことになり、演出からもゴーサインが出た。

稽古でどんどん回数を重ねていく。ネタへのほかの役者の振り方や、タイミング、表情の作り方などがどんどん洗練されていく。


「おもしろい!」


 稽古のたびに、同じシーンを見るのだが、見るたびに笑えるし、何度見ても飽きない。稽古でも笑い、本番でも(失礼!スタッフなのにね)笑い、多分、今同じシーンを見ても全然笑えるし、・・多分この先も笑えると思う。

今からアレをやるよって、事前に分かっているのに面白い・・・。


なぜだろう?



 「多分それが『オモシロイ』っていうことで、なんか『飽きたな』って思われてしまうものは、もしかしたら『別な何か』かも知れないと思ってしまったり」


じゃあ、それってなんなんだ?


「・・・うーん、なんだろう『オモシロカッタ』もの?」


答えにはなってないね。



「少なくとも『オモシロイ』ものは恒久的に面白いんだと思うよ。ちょっと論点がずれるかも知れないけど、例えばチャップリンの映画を今観ても『面白い』し『古くない』と思う・・・。そんな事ではなかろうかと」


確かに一発ギャグで世に出た人たちの『ギャグ』は今観ると『面白くない』し『古くさい』感じがするなあ。


「もちろん『面白い』に絶対的な方法論は無いし、価値観も時代によって違ったりするし・・・。難しいね。『飽きられた』瞬間にそれは『面白く無い』ものになってしまうんだからね・・・」



でも、きっと恒久的な『飽きられない面白さ』をもったものがきっと『面白い』、と・・・。



「良いまとめだね!」



いや!本来キミがまとめないと!しかも上手くまとまってないし!!


「なんだかよく分からない内容ですいませんでした・・・」



うーん、そんなまとめかあ・・・。


まあ、よかったよあんまり偉そうなこと書かなくて!!