Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』をブルーレイでやっと観た

 いらっしゃいませ。


 お花見の季節ですね・・・。

・・・水、持って行きますか?






 彼は過日、マイケル・ジャクソンの『This is it』(BD版)をやっと最後まで観たらしい。今回はそれについて書くのかね?




「まあ、そうなんだけど、内容とかマイケルに関する感想とかについて書いても、そんなのはネットでさんざん書かれているし・・・」




では、今回は感想は書かないと・・・。




「うーん、・・極力マイケル以外で思ったことについて書いてみようかな」



それは、「かけそば」から「そば」を抜いたようなものではないか?




「まだ「出汁」と「ネギ」と「かまぼこ」くらいは残っているかと」




まあいいか。では感想とか書きなさいよ。





「ちょっとポイントポイントを抜き出す感じなので、若干ぶつ切れな感想になります」





うむ。で?




「まず、参加ギタリストのオリアンティ。彼女の起用は正解だったと思う。というか、おそらく毎回マイケルのツアーにはあのようなテクニカル系のギタリストが一人は参加しているんだと思うけど(『ビート・イット』要員)、やはり『ビート・イット』のレコーディング時のギタリストがエディ=ヴァン・ヘイレンであることを考えると、あのスタイルのテクニカルな技に持ったギタリストがいたほうが画になる。『ビート・イット』のソロのライトハンドの使い方とかがEVHぽくって、大変かっこよかった」





なるほど。
・・・そういえば、最近タッピングとかライトハンドとかをかっこよく決めてくるギタリストが少ないような気がするね・・・。





「みんなある程度はできるんだろうけど、技的には『飛び道具』扱いだよね・・・。さりげなくかっこよくフレーズに混ぜ込んで使える方が減ってきている気がするね・・・」





オリアンティは『ブラック・アンド・ホワイト』のソロでも華麗にライトハンドを決めているね。




「こっちはかなり『飛び道具』的だけどね。彼女のギター・プレイのルーツってそのあたりなんだろうね・・・。どうでもいいけどソロプレイ中に彼女に送風機からものすごい風と炭酸ガスが吹き付けられているシーンがあるんだけど、炭酸ガスの量、多すぎですな。ちょっと笑えるシーンになってます」




他に良かったところは?




「バックダンサーのダンスだけのシーンが良かったね。決められた振り付けではなく、各人の得意技を存分に披露している感じで」




なるほど。




「あと、『スムース・クリミナル』や『スリラー』なんかに使われていたショートフィルムが秀逸!本当だったらこの映像を現場の人間はアリーナで3D眼鏡を着けて観ていたと思うと本当にすごいと思う。あと、ライブ会場の背景で流れる映像にしてはクオリティが高すぎる!今回ブルー・レイで、HD対応のモニターで(大した物ではないよ、所詮は1080i)観られて良かったと思うね。
 もし、これから購入やレンタルを考えておられる方、視聴環境がBD・HD対応なら迷わずDVD版ではなくBD版を強くお勧めする!」





 それから?




マイケル・ジャクソンはもちろんすごいパフォーマンスをする人なんだなというのは分かっているけど、そのパフォーマンスを支える裏方さんがいないと、ショーは全く成立しないんだということを改めて実感した。出演者だけではショーは成立しないんだ。あたりまえだけど」





・・・あたりまえだけどな。




「舞台には多数のダンサーがいて・・・。でもそのダンサーも一流の振り付け師が振りをつけないと舞台では生きない。舞台演出では欠かせない照明でも、その演出する者以外にプランナーがいて・・・。そしてその照明器具自体を吊り込むのにいったい何人のスタッフが手を出しているだろう・・・。実際に本番についてオペレートを行うスタッフは、ピンスポ要員も含めて10人もいないはずだ・・・。PAにしてもそうだ。舞台上に組み上げられたスタック(メイヤーっぽかった)はオペレーター一人で組むものではない(最近の公演にしては、舞台の全景が映るシーンでも、ライン・アレイが吊られているのが見えなかったが・・・?)」





目に見えない部分だよね・・・。誰かがピンスポで狙いをつけ(あ、リモートかもしれないか)、誰かが花火のスイッチを押し、誰かがその日のケータリングを運ぶのだ・・。その一つ一つの作業が組み合わさって2時間のショーが出来上がるわけだよね・・・。




で、「出汁」と「かまぼこ」の話くらいは終わったかね。




「えー、あと「ネギ」の話くらいでも」




まだあるのか。




「きっかけでサンプラーを叩いている方、ものすごく大変だと思います・・・何回も何回も稽古したんでしょうね。その御苦労お察しいたします・・・。たぶんあれはキーボード奏者の方だけでオペレーションできないですよね・・・」




どうした急に。




「マイケルのダンスの振りに合わせてブレイクのたびに効果音やオケ・ヒットが鳴るのだ。『ドーン!』とか『バーン!』とか『シュッ!』とか『ジャン!』とか etc。そのきっかけが多くて多くて・・・。決まると格好がいいんだけど、ちょっとでも外すと目も当てられない場所(シーン)ばかり・・・。自分が同じ立場なら緊張で人格が崩壊するし、仮に持ちこたえても、失敗なんかした日にはその夜のうちに切腹して果てているに違いない・・・」




すべて段取り通りに動いてもらって、何度も何度もスタジオでリハーサルを重ねて・・・。





「ああ・・、それでも、それでも・・・」




 まあキミのガラスのハートは置いておこう。

とりあえず「そば」以外の話は終わったのだな。




「まあ・・・一応。一緒になって鼻歌が歌える曲が満載なBDでありました・・」




良かったな。




「・・・マイケル・ジャクソンにしろミッキー・ロークにしろ、無理な整形は悲しい結末しかないんだなと思ってしまった・・」




そこは触れないでやってくれたまえ・・・。大人なら・・・。