いらっしゃいませ。
・・ああ。メニュー、考えてますよ・・・。実は画期的なアイデアがありまして。
オロナミンCに生卵を混ぜてですね、スタミナ抜群の・・・・え?昔からある?
そ、そんな馬鹿な!?
・・・・せめて試しに飲んでみませんか?
え?水で良い?・・では蛇口からご自由に・・・。
彼は前回に引き続き、また去年の話題を書こうとしている。しかも11月の観劇日記だ。もう二ヶ月以上も前の話である。
そんなに書くことが無いのか?
「決して書くことが無いわけではなく、その日その時思ったことをちゃんと残して消化しないことにはなんだか先に進めないような気がして・・・。」
ふむ。
「去年のことも書き終わっておかないと現在進行形のことにスムーズに移行できないというか・・・」
ほう。今ひとつ理解できないが、要するになんだか心残りなんだな?
「なので、過去に色々考えて来たこととか、過去に見た芝居の感想、過去に読んだ本の感想、映画の感想、風景や雑事、少しずつ消化していこうかなと・・・。ある程度消化したりしたら、例えば今現在読んでる本の感想だとか、日常の事などを書いていこうかなと」
ふむふむ。・・・まあ長ったらしい言い訳とかご託はいいから、とっとと内容に行きなよ!
彼は11月28日、劇団『からここたち、』の芝居、『蝶の棲む家』を観劇するために昼過ぎから兵庫県神戸市長田区にある、「Dance Box & Art Theater db」へ赴いた。
「Dance Box & Art Theater db」
http://www.db-dancebox.org/
劇団『からここたち、』は彼にとって後輩にあたる役者達が立ち上げた劇団である。
ところで、この「Dance Box & Art Theater db」って、キミは何度か訪れたことがあるね。
「・・・ここは芝居やライブやらで来たことはないんだよね。二回ほど来たけど、二回ともプロレス観戦」
この狭いスペースにプロレス?!
「すごいよ、ドラゴンゲート。この狭い客席スペースにリング組むんだ!しかも・・」
・・・プロレスは置いておいて、この『蝶の棲む家』で、書きなさいよ。
ストーリーは、ちょっと冒険のような気もしないではないが、恩田陸さんの「木曜組曲」を下敷きに台本を書いている。
一応ストーリー的なモノは、
人気女流作家、重松時子がこの世を去った。
その死に居合わせていたのは、五人の彼女に縁のある女たち。
遺書が見付かり、彼女は自殺をしたということで事件は終焉を向かえた。
そんな彼女を偲び、五人の女たちは毎年彼女の命日の週の木曜日に集まってくる。
時子の住処であった『うぐいす館』に。
あれは本当に自殺だったのか・・・?
四年の歳月が経ち、パンドラの箱が開こうとしていた。
と、いうようなものだ。
「もちろんストーリーの詳細は原作をお読み下さい!」
お得意の丸投げだね!
じゃあ、感想とか劇評とか書きなさいよ。
「・・・感想?・・・まず予め恩田作品を上演て聞いてたので、実際の芝居が全然恩田カラーじゃなかったらどうしようとか思ってたんだけど、なんだかちゃんと恩田作品的雰囲気だったよ」
おお、誉めてるね!でもキミに誉められてもうれしくないよ、きっと。
「・・・いや、もしかしたら、原作のパワーが強すぎて、ちょっとぐらいいじられても恩田カラーが消えないってのが正解かも知れない・・」
・・・え?ほかになんかあるだろ!
「木曜組曲といえばパーティーのシーン、ってことで、ちゃんと舞台上でしっかりした消え物(食べ物やタバコなどの消費してしまう小道具ね)を用意してちゃんとパーティーらしく食べてた」
なんだかんだ言って、これも誉めてるのかな?
「まあ、それ以外の感想とかは出演していた女優Nに直接言ったし。いや、今回はついでにスタッフワーク的な事とか効果音の事に触れようかなと・・・」
ああ・・・、またなんか偉そうなことを言うつもりなのか!図に乗っちゃあダメだよ小市民!
「では次回に続きます!」
え?コーナーポストに上がろうかというところで次回へ?!それより次回でまとまるのか?
「えーと・・・、疲れない程度に・・・」
頼みますよ、ほんとに!