Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

読書感想文 『黒猫の三角』 森博嗣 を読んだ

 いらっしゃいませ。


 雨の日はお客の入りがねえ・・・。

まあ、晴れの日でも良かったためしはないんですが。





 過日、彼は、森博嗣氏の小説、『黒猫の三角』を読了したらしい。今回はそれについての感想とかを書きたいそうだ。推理小説の読了も良いが、近々に迫った芝居の台本とかも読み込むべきではないのか。












「仕事帰りにどうも台本を読むテンションにはならないのですよ・・・。ぼんやりと適当な小説を流して読むくらいが関の山で・・・」




・・・ふむ。



「まあ、ちゃんと台本も読んでおりますので」




ふむ。

今回読んだ本は、森博嗣氏の『Vシリーズ』の1冊目にあたる作品のようだな。





「以前読んだ『S&Mシリーズ』に関連しているということで、このシリーズを読んでみることにした。ただ、『S&Mシリーズ』のような、カッターナイフで切っていくような切れ味のある作品ではない」





・・ほう。

では、例によって少々内容に紹介とかもしてみるかね。





「三人称で語られる推理小説。あるアパートに住む仲の良い3人組みと隣の屋敷に居候するちょっと浮世離れした女性の4人で事件に取り組んでいく。


 豪邸に住む小田原静江の元に新聞記事のコピーが送られてくる。三年前の7月7日に11才の少女が殺された事件、二年前の7月7日に22才の女性が殺された事件、そして1年前の6月6日に33才の女性が殺された事件。記事の内容はそれらの殺人事件に関するものだった。そして手紙を受け取った小田原静江は今日、6月6日に44才の誕生日を迎える。

 手紙は脅迫なのか、殺人予告なのか。静江は豪邸の隣にあるアパート『阿漕荘』に住む探偵の保呂草(ほろくさ)に誕生日パーティーの監視を依頼する。保呂草はアパートの住人とパーティーの監視をするが、衆人環境の密室で静江は殺されてしまう。犯人はどのようにして密室を出入りし殺人をなしえたか?そしてこれは三年前から続く連続殺人なのか・・・?」





かなり内容を端折って紹介したな。




「まあ、登場人物が多いので・・・。それに登場人物自体がある意味ネタ的なところもあるので、少々端折っております」




まあ、今回も例によってネタバレに注意してもらいたいということで。




「未読の方で、これから読む予定があるという方、お気を付け下さい。記事にする方も出来るだけ気をつけるようには致しますが」




うむ。




「森氏の推理小説、『S&Mシリーズ』を読んでいて、いつもどうやって犯行を行ったかとか誰が犯人であるとかというのが最後のネタ晴らしまで全く分からないことが多かったが、今回読んだ作品は、読んでいると途中で犯人はこいつでは?という推理に行き着く。というか行き着かされる。そして予想通りそいつが犯人であったわけだけど、本当にラストでもう一つどんでん返しがある(犯人が違っていたという類のどんでん返しではない)。」




ふむ。





「犯人に繋がる薄い伏線をわざと多めに貼っておいて、読者をその犯人をわざと連想させる。確信犯的にそこへ導く」





君もその意図に乗ってしまったわけだな。





「もちろん意図的にその伏線は張られているので、ラストのどんでん返しは見事にはまる」





なるほど。





「今回この本の中で何度も繰り返されることに、『犯行の動機は?』、『犯行の理由は?』、『殺人とは非人間的行為なのか?』『殺人に対する善悪の観念とは?』というようなことが何度も問われる。特に、今回の連続殺人は規則性らしきものが見られるが、被害者に共通点が少なく、犯人の動機を探る材料が非常に少ない。『殺人者の動機』について、物語の中で何度も読者に問いかけてくる」




ふむ。




「これを突き詰めて書いていくと、確実にネタに触れてしまうのであまり書けないが、『人間的な殺人の動機とは?』というところをどんどん掘り下げていくことになる。この辺のことをちょっとでも考えたことがある人には分かりやすいテーマ、かも知れない」





・・・ふむ。





「そして物語中に、小さな謎がたくさんちりばめられている」




ほう。




「謎のままで終わってしまう『謎』が少なくとも二つは見受けられたが(それ以上発見できなかった。読み込みが足りないらしい)、あえてそれは解決を見せることなく終わらせているようだ」





ふむ。





「伏線かなと思ってそれを辿っていっても、その先には何も繋がっていない。わざと見えない物語を残していっている」




ふむふむ。




「あと、『S&Mシリーズ』と違っていたところは、『S&Mシリーズ』における犀川創平のような絶対的な“探偵役”が存在しない事」





ほう。




「もちろん『Vシリーズ』の探偵役は基本的に瀬在丸紅子であるが、犀川ほど神がかってはおらず、もう少し一般人よりである(もちろんある意味天才的であるが)」





ほう。





「まあ、あくまで第1巻での扱いだからね。巻を重ねるごとの扱いが変わっていくかも知れない」





ふむ。

さて、今回読んだ作品は、皆様にお勧め出来る作品かね。






「『S&Mシリーズ』の初期作品のように、読んでいる方まで迷路に閉じ込められたかのような感覚に陥ることはありませんので、どなたにでも読みやすい本であると思います。個人的には、まだ登場人物が脳内ではっきりとビジュアル化しないので、少々感情移入しづらくはありますが、逆に登場人物がすっとイメージ出来ればするするとエンディングまでたどり着けるのではないでしょうか。通勤通学のお供に、家事の合間に、就寝前に、それぞれにお勧め出来る作品であると思います」





なるほど。

続きを読むかね?






「恐らく読むでしょう。『S&Mシリーズ』の登場人物とリンクしているということなので、少なくともその辺りが確認できるところまでは読むと思います」





では、また何かお勧め出来る作品があれば記事にするようにな。

今回はこの辺りで終わる。





「あ、告知もしておきます!」


ことりてつじん第3回公演

『ジロー君の冒険[改訂版]』

作・演出 小畑悠

音楽 松本誉臣

舞台監督 新井和幸

音響 ウマヤミツル 斉藤真希 大高亜由美

照明 中元志保(Fellow House) 檜木順子

制作 宮崎尚美

出演

友田博幸

長谷川具子

ギター演奏(大阪公演のみ)

松本誉臣





尼崎公演

(2010ピッコロフェスティバル一般演劇部門参加)

2010年8月11日(水)

18時30分開演

(開場は30分前)

当日・前売り 1500円

ピッコロシアター中ホール

(阪急神戸線塚口」駅下車 南出口より徒歩約8分

JR宝塚線塚口」駅下車西出口より徒歩約10分)

にて





大阪公演

(生演奏バージョン)

2010年8月21日(土)19時開演

     22日(日)13時開演

(開場は30分前)

当日・前売り2000円

天満橋音太小屋

(大阪市営地下鉄谷町線天神橋筋6丁目駅1番出口より東へ徒歩3分

JR環状線天満駅より北東へ徒歩7分)

にて

とある劇団の座付き作家みっちゃんが

演出家に急かされながら書く上演を目前に控えた台本“ジロー君の冒険”

やがて“書く側”と“書かれる側”の世界が交錯していき、

その先に現れた思わぬ真実とは…!?





チケット・お問合せは

toritetsujin@yahoo.co.jp

http://www.geocities.jp/toritetsujin/






「さらに告知」




2010年8月17日(火)  ピッコロシアター中ホール

パフォーマンス

ISCplayer[s] 第3回実験公演  





【 作 】

 ISCplayer[s]

【 演出・構成 】

 ISCplayer[s]

【 出演 】

 ゆ〜じ☆ バル めりちゃん ヨッシー(かぜふなびと) ぺんちゃん(かぜふなびと) 來花

 ワークショップ受講生

【 会場 】

 ピッコロシアター中ホール

  阪急塚口駅から徒歩10分

  JR塚口駅から徒歩10分

【 公演日時 】

 17日(火) 時間未定(18時半か19時開演、調整中)

【 料金 】

 カンパ制 

http://www.k4.dion.ne.jp/~isc-hp/index.html




「関係者以外の方もこの記事を見ていてくれていると信じて・・」



告知も終わったようなので、改めて終わる。