Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

歌声は風に乗って

 自宅の最寄り駅の向かいは小学校だ。電車を待っていると、風に乗って合唱の声なんかが聞こえてくる。季節柄どうやら音楽会の練習とかをしているらしい。


 風に乗って聞こえてくる歌声は、ずいぶんと前衛的な和音構成で、かなり異様。聴いていると時折普通の和音構成であったりする。


 どうやらこれは意図して譜面に起こされたものを歌っているのではなく、とてつもなくへたくそな状態を延々と歌っているらしい。

 指導をしている先生は気がついていないのか?音楽の先生が指導するのではなかったっけ?


 ・・・うーん、あまりに香ばしいサウンド。

 歌い出しの最初の音が既に取れていないらしく、どこかの実験音楽のような和音。・・・すごい。・・・有り体に言えば下手すぎる。


 そういえば、ビートルズの『プリーズ・プリーズ・ミー』の歌い出しのコードがどう考えても和音じゃないんだけど、無理矢理9th.のコードになってるなんて事を何かの本で読んだことがあるが、ほとんどその状態。そんな難しいコードがついているのか?7th.とかでも取れないと思うぞ?

 ・・・・まあそんなはずもなく・・。




 いずれは音楽の先生がちゃんと指導するのかな?それとも音楽の先生が指導してこの状態なのかな?

 自分が子供の頃の音楽会もこんな調子だったんだろうな・・・。



 本番で棒を振るのは(指揮をするのは)多分音楽の先生じゃないだろうな。歌う方も音楽会の合唱なんて無理矢理歌わされているにも等しい状態なので、余程上手に指導しないとなかなか上達しないだろうな・・・。




 ふと思ったのだが、本番までに上達しないと、この状態の合唱をずっと聴かされる父兄さん達が一番かわいそうかな。ジョン・ケージ実験音楽もかくやという状態では、そう何曲も聴いていられないのでは・・・。まあ、自分の子供だとかなら全然大丈夫なのかな・・・。




 香ばしいサウンドを聴きながら、ぼうっとそんなことを考える電車待ちの時間。