Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

スニーキング

 いらっしゃいませ。


 ヤ○オカさんってリーゼントの人が、『鰹のたたきにはマヨネーズだ!』って半ばキレながら迫ってくるんですよ・・・。どうしたものですかねえ・・・。




 彼は最近不思議に思うことがあるらしい。




「不思議というか、悩みというか・・・」




なんだ、今回はお悩み告白の回か?





「・・うーん、悩みと言うほどでもない話なんだが・・・」




ちゃちゃっと書け。





「それに最近、というよりは、以前からちょっと思っていた話で・・・」




・・・書きたまえ。





「たとえば、ちょっとご飯を食べに飲食店なんかに入るとする」






ふむ。






「普通なら『いらっしゃいませー』の声とともに入店、席に着く」





まあ、そうだな。






「なんだかお店に入っても、店員さんに気がついてもらえないことが多くて」






ほう。






「お店に入っても“いらっしゃいませ”の声もなく」






ふむ。






「開店普通にしてるよね?入って大丈夫なお店だよね?とか思いながらおそるおそる席に着く・・・」





ふむふむ。






「・・・席についても店員さんは誰も気がついてくれない。ほぼ挙動不審者のようにあっちこっちに視線を送るが、全く気づかれない」






・・・ふむ。







「あまりに気がつかれないので手とか挙げてみると、ようやく気がついてもらえる」






ほう。






「その時の、お店の人の表情は、ほとんどの場合『え?!なんだこの客いつの間に居るんだよ、いつ入ってきたんだよ、何勝手に座ってんだよ、おまえ客なのかよ、おっと“失礼しましたいらっしゃいませ”だ、お冷やだ、ホントいつから居るんだよ、忍びこんでんじゃねえよ!』、という驚愕の表情で迎えられる」






ほほう。






「これがお店の人が一人とか二人の小さな店で、ちょっと中座してしまったときに入店してしまったというならまだ分かるが、そこそこ店員さんの多い店でもその状態になってしまったりする」






・・・ほう。






「・・・そういえば、入店するとチャイムが鳴って店員さんがすぐに気がつくはずのファミレスとかでも、入り口で気がつかれないまま放置状態って事も結構あるな・・・。余談であるが」






・・・気配的なものか?







「・・・確かに気配を消すのは得意であると思うけどね。でも、ご飯食べに入ったお店で気配なんて消さない。消す必要ないし。むしろ『メシ食うぜ!』オーラ全開で入っているはずなのだが」






・・・“気配”もさることながら、“存在”だな。無いんだ、存在感が。






「・・仮に存在感が“無い”として。その割には夜道で前を歩く女の人が、逃げるように早足になっていく様を何度見たことか・・・。怪しい存在感だけは有るという事か?無いなら無いで、存在感“全く無し”にしてほしい・・・」






まあ、その辺りは仕方がないことだな。夜道は怖いもんだろう・・。

“存在感無し”の理想は、ドラえもんの『石ころ帽子』だろうが、それは無理な話し。

しかし、お店に入って気がつかれなさすぎるのも、困った話しかも知れないな。

いや、困らないか?




「ここにいます、ここにいます、ここにいます、ここにいます」






まあ、書くだけ書いてすっきりしたか?少なくともその話しのレベルでは死ぬような話しじゃないし。

これからも手を挙げ続ければよかろう。



くだらない話しなので特に結末もなく終わる。とっとと日常へ戻りたまえ。


今回はこのまま終わる。