Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

新長田界隈を歩いたついでに、お好み焼きの『青森』へ行ってみた

 いらっしゃいませ。


 少しずつ暖かくなってきました、ね。





 過日、彼は、『KOBE 三国志ガーデン』なる場所を見るために神戸市長田区・新長田界隈を歩いていたわけだが、帰宅前についでにもう一カ所訪れた場所があるらしい。今回はその場所について書いてみたいそうだ。





「割と近所にあるお店なんだけど、行った事がなかったので今回初めて行ってきた。今回は完全にお上りさんです」




ほう・・・。
どのような店へ。






「新長田にある、お好み焼き『青森』へ行ってきた」





お好み焼き 『青森』

食べログに記事があったのでリンクを貼っておきます。

http://r.tabelog.com/hyogo/A2801/A280110/28000773/




ほう。





「神戸の下町の味、“そばめし”。もうすっかり全国区の、そば焼きとご飯を一緒に鉄板で炒めたソース味の食べ物ね。昔は神戸の、かなりな下町にしか無くて、実家の方にあるお好み焼き屋にはメニューになかった。なので地元民でありながらその存在を知ったのは20代になったくらいのとき。それがいつの間にやらあちこちのお好み焼き屋のメニューに載るようになってしまった」






ふむ。






「ここ“青森”は、そんなそばめしの発祥の店といわれている。ここから神戸の港側の街にそばめしは広がっていった。だから新長田は“そばめしの街”なんだ」







ほう・・・。







「場所的にはJR新長田駅と神戸市営地下鉄海岸線・駒ヶ林駅との間くらい。国道二号線よりは少し南側になる」







ふむ。







「“青森”の近くには“平壌冷麺屋”の久保田町店もある。下町の住宅街の中だ」






ふむふむ。






「お店はすぐに見つかった。というかだいたいの場所は知っていた。なぜか入ったこと無かったんだよなあ・・・。とりあえず外観写真」





・・・まさに下町の古いお好み焼き屋さんといった感じだな。






「お店の向かいはお風呂屋さん。これもザ・下町」






お風呂屋さん、少なくなっているしな・・・。





「お店の中から、鉄板をテコでカシャカシャやる、いかにもお好み焼き屋さんらしい音が聞こえてくる。その音を聞きながら外観撮影のシャッターを切った。カシャリ」






ふむ。
風情がある。






「・・・しかし、中の音が聞こえるという事は、当然外の音も中に聞こえているわけで。不審者に思われたのかお店のオバチャンが窓を開けて覗いてきた。ちょっと挙動不審になってしまったが、不審者ではありませんよアピールでちょっと微笑んでみてからお店の暖簾をくぐった」







・・・完全に不審者だと思われているな・・。






「一人で入ったので、カウンターの鉄板のまえに座る。オバチャンに注文を聞かれたので、迷わず“そばめし”を注文」





ふむ。

まあ、発祥の地だし。妥当な選択かな。






「この店のそばめしを食べての感想ブログなんかがネットに転がっているが、『普通でした』とか、『想像した感じと違いました』とか書いてあるものを見かける。こういった人達は、下町のお好み焼き屋さんに何を求めて行っているのか?そもそも港の労働者や、ゴム工場の下請け工場のオッチャンとかが少ないお金で一杯やりながらがっつく食べ物。それ以上でもそれ以下でもない物。しかもここは発祥の店。昔からの素朴な味が残っているのである。現代的な味を求めるなら、大阪の比較的新しいお好み焼き屋さんにでも行って、なんだかハイカラなそばめしに千円も二千円でも払えばいいのだ。そういうクサレグルメ野郎が行く店では元々ないのだ」






ふうむ。








「ご飯とそばを炒め、ミンチ状になったすじ肉とこんにゃくを煮込んだ物を入れソースで味をつけていく。神戸的に言う“ぼっかけ”とはちょっと形状が違う。さらに言うと、いわゆる“すじこん”的でもない」








ふむ・・・。







「上記したが、すじ肉は細かくミンチ状にされていて、細かく刻んだこんにゃくと一緒に鉄板の熱さでゆるゆると火を入れられている。いわゆる“ぼっかけ”は、もっと大きくカットされたすじ肉であることが多い」







ふむふむ。







「待つことしばし。“そばめし”どーん!」







まさにそばめしだな。







「地元民なので、もちろんテコで食べる。因みにテコとも言うし、コテとも言う。どちらも間違いではないらしい」






ふむ・・・。






「お店の人に『ソースを・・・』と言われたので、まず辛口ソースをちょいちょいとかける。さらに『こっちが青のりです』といわれたので、これもパラパラ。基本中の基本」






ふむ。






「しかし、ここからが下町。『こっちは“味の素”です。お好みで・・・』と言われる。すばらしい!これこそが下町感覚!下町クオリティー!!」






・・・あえて化学調味料とは・・。






「昔の、労働者のオッチャン相手の頃から変わってないんだろうね。すばらしい!」







なるほど・・・。






「こういうお店なんで、変な批評をするクソグルメ野郎は全くお呼びでない店という事だ」






まさに・・・。






「鉄板の上のそばめしを、ハフハフ言いながら食べる」







おお。味の方はどんなかね。






「・・・まさに、ザ・そばめし。ソースとご飯と、あまりくどくない味付けをされたすじの味。全くの直球」






ほう。





「味が薄いだの書いている記事があったりするが、そこでソースと味の素をかけて味をお好みにするわけである。その辺りの下町感覚が無いやつは最初から食べる必要はない」






ふむ・・・。






「あっさりした感じで、大変美味しゅうございました。辛口のソースは結構スパイシーであります。ぜひ他のメニューも試してみたいですね」






・・・なるほど。






「因みに、神戸はソースの街でもある。今回お邪魔したお店がどういったソースを使っているかは分からないけど。たとえば全国的に有名な“オリバーソース”、長田のお好み焼き屋さん御用達の“バラソース”、灘の“プリンセスソース”、兵庫(現在は東灘区で製造)の“日の出ソース”(阪神ソース社)、同じく東灘の“宝ソース”などなど・・・。神戸の人間は昔からソース文化に触れて暮らしていたわけだ」







なるほどねえ・・・。






「最後に、すじ肉を煮込んでいる鍋の写真。使い込んでいる鉄板もかっこいい」







なるほど・・・。

お好み焼きの話しから、なんだか話しが広がったな。まあ、美味しかったのならそれでよしという事で。



今回はこの辺りで終わる。