いらっしゃいませ。
『っらっしゃっせー、っらっしゃっせー!当店粒ぞろいでございます!社長さん、社長さんどうですか?よってって下さいませ!』
・・・もうやめます・・・。
彼は過日、桜庭一樹氏の『GOSICKⅢ −ゴシック・青い薔薇の下で−』を読了したらしい。今回はそれについての感想とかを書きたいそうだ。この『GOSICK』シリーズも今回で3冊目だな。
「前作よりもさらにキャラクターがこなれてきた印象があります」
では、まずそういった感想の前に恒例の本の内容について書きたまえよ。
「ヨーロッパの小国ソヴェールに留学している久城 一弥の元に、故郷である日本から手紙が届く。差出人は姉で、昨今ソヴェールで流行している、失われた国宝“青い薔薇”を模したガラス製のペーパーウエイトを買ってきてほしいと書いてある。姉の頼みに首都ソヴレムの巨大高級デパート“ジャンタン”へ出かけたが、“青い薔薇”を買うことが出来ずにデパートを出ることとなり、しかも首都で噂される「人間消失」の事件に巻き込まれてしまう。そして、盗品などが出回るという闇マーケットの事件にも関わることとなり、久城 一弥は困惑する。頼みのヴィクトリカは今回のソヴレム行きには同行しておらず、しかも風邪引きでベッドに寝たままという状態であった。事件のあらましをヴィクトリカに電話で伝える久城。ヴィクトリカの「知恵の泉」は果たして距離を超えた推理を発揮できるのだろうか・・・」
コンパクトにまとめてきたな。
「今回もさらっと読める内容なので、短めにまとめてみました」
まあ、例によってネタバレ注意ということで。
で、読んでみてどうであったかね。
「ストーリー的には極めて分かりやすい内容。キャラクターがたっていて、その魅力で読ませる感じかな」
ほう。
「特に、主人公である久城 一弥が、探偵役であるヴィクトリカから離れて一人で行動するという内容のため、今まで若干地味目であった主人公の存在がしっかりとしていたと思う」
ふむ。
「あと、相変わらずヴィジュアルがたった内容。キャラクターや背景を想像しやすい物語です」
ほう。
「脇役達も立ち位置が極めて分かりやすく、物語にすっと入り込むことが出来ます」
ふむ。
他には?
「少しずつヴィクトリカの性格を丸くしていくそのさじ加減がなかなか微妙でよろしい」
ほう。
「やはりここは、単に少年の成長物語ってだけでなく、ボーイ・ミーツ・ガールな内容を持ってきてもらわないと。それはお約束の世界ですね」
今回の作品はお薦めかね。
「これまでの1巻2巻を違和感なく楽しめた方はぜひこの巻も。特に気負うところもなくさらっと読めますので、午後の暇つぶしに、昼ドラ以外にも娯楽は有りますぜ、主婦の方。お子様に活字を読ませるには先ず自らが活字を読むようにせねば!あと、学生さんにもお勧めではありますが、拾い上げるべきポイントが少ないので読書感想文のテーマに選ぶと苦労するかも知れません」
なるほど。
とにかくキミももっと脳みそを動かしたまい。感性を磨きたまえ、小人よ!