いらっしゃいませ。
風は涼しいのに変に汗ばんでしまいます。難しい季節ですねえ・・・。
まあ、汗が出るということは、水分の補給が必要ってことです。
過日彼は桜庭一樹氏の小説『GOSICKsⅡ −ゴシックエス・夏から遠ざかる列車−』を読了したらしい。今回はそれについての感想とかをちょろっと書いてみたいそうだ。
この『GOSICK』シリーズの感想を書くのも結構な回数になったな。
「本編五冊に、今回で外伝的短編集二冊目だからね」
どうかね、今回読んでみての感想は。
「・・・うーん、今回の外伝だけがそうであったと言うだけかも知れないが、どうも、主人公のヴィクトリカのキャラクター設定が微妙に崩れていっているような・・」
・・・ほう。
「何だか妙に可愛いキャラクターになってしまっているようで」
ふむ。
「謎めいた、誰もとりつく島のない冷たさみたいなのが無くなって、ちょっと気むずかしい女の子って感じになってしまっているような・・」
ほほう。
「まあ、一応の理由付けとして、もう一人の主人公の久城一弥に心を開きつつあるということなのであろうと推測されるが」
・・・ふむ。
では、恒例であるが、内容に触れてみるかね。
「外伝であり、連作短編であるので、内容のすべてを紹介するのは難しいが・・。この作品は、『GOSICK Ⅳ −ゴシック・愚者を代弁せよ−』と『GOSICK Ⅴ −ゴシック・ベルゼブブの頭蓋−』の間の二人の夏休みの物語。
ヨーロッパの小国・ソヴェール王国の貴族の子弟のための学園、聖マルグリット学園。夏休みに入り、生徒は、バカンスや実家への帰省へと去っていく。しかし、ほぼ幽閉状態にあるヴィクトリカには行くところもない。また、学園から出る事すら許されていない。久城一弥は、本国の日本へ戻るにもおよそ二ヶ月の夏休み期間中では短いと思い、また、夏休みの間のヴィクトリカの事も気になってしまったので、帰省やバカンスに行かず、ヴィクトリカと共に学園に残り夏休みを過ごそうと思った。
学園に残った学生は久城とヴィクトリカのみ。二人は夏の間の短い間に近隣の村などで小さないくつかの事件に遭遇するが・・・」
・・・ふむ。その小さな事件とかが連作短編の形で描かれているということだな。
「まあ、基本は学園内での二人のだらだらした感じで進行していく」
ふむ。
「いくつかの事件を経て、ヴィクトリカは久城一弥を少しずつ信用していっている。この夏休みで、学園に二人きりになった二人は微妙な距離感を保ちつつももう少しお互いの距離が縮まっていく」
うむ。広い学園に一夏二人きりならな。
「時間軸的にこの後の話になる第五巻『ベルゼブブの頭蓋』の冒頭から、二人の距離はかなり近い感じであるので、この作品はその間の距離感を補完する作品となっているようだ」
ほう。
あ、例によってネタバレ注意報ということで。
他にもいろいろなエピソードがあるようだな。
「いかにも伏線な日本の好青年というのが登場してみたり。あ、これは日本でのエピソードね」
主人公達はヨーロッパではないのかね。
「久城一弥の、姉・瑠璃との手紙のやりとりで進行するストーリーもある。その物語は日本で進行する」
ほう。
「他にも、一弥の父が登場したり、次兄の寛が出てきたり、ヴィクトリカの異母兄グレヴィールの思い人が物語のメインであったり。またそのグレヴィールの部下二人の名前がイアンとエバンであることが分かったりと、物語に関連するキャラクターたちが活躍していくのも外伝の面白さ」
なるほど。
どうかね、この本はお薦めかね。
「まあ、シリーズを読んでいる方は読んでみても良いのでは。ただ、シリーズ物の外伝なので、これ単体ではさっぱりなので、読む気のある方はシリーズの第一巻から読んでみる事をお勧めしますね。さらっと読める本であるし。あと、2011年にはアニメ化される事が決定しているので、予習に読んでみるというのもありかも知れません」
なるほどねえ。
今回は短めではあるがこのあたりで終わる。