読書感想文 『有限と微少のパン』 森博嗣 を読んだ
「・・・というか、森博嗣氏の『S&Mシリーズ』を読了したっ!!!」
・・ああ、いらっしゃいませ。
いや、なんか、叫べっていわれて・・・。良くわかんないんですが・・。
ああ、もちろん今日も飲めますよ。お座り下さい。
彼は先日、森博嗣氏の小説、『有限と微少のパン』を読了したらしい。そしてそれにより、氏の推理小説シリーズ『S&Mシリーズ』の全10巻を読み終えたとのことだ。
全体として、どうであったかね。
「大変面白かったですね!」
ほう。
「1巻目の『すべてがFになる』を読んでいるときは、作者もデビュー作ということだからなのか、まるで行き止まりだらけの迷路みたいに文章がかくかくと進む感じで、少々難儀したけど、巻を重ねるごとに文章が滑らかになってきて面白さの度合いを増していって物語も楽しめるようになりました」
その難儀をした1巻目は面白く無かったのかね。
「文章はかくかくとした感じだったけど、タイトルの『すべてがFになる』の<F>の意味が語られるラスト間際はかなり引き込まれましたね」
なるほど。
一応ここで全10巻のタイトルをあげておこうか。
<S&Mシリーズ>
1.『すべてがFになる』
2.『冷たい密室と博士たち』
3.『笑わない数学者』
4.『詩的私的ジャック』
5.『封印再度』
6.『幻惑の死と使徒』
7.『夏のレプリカ』
8.『今はもうない』
9.『数奇にして模型』
10.『有限と微少のパン』
「この10冊は、一応それぞれ個別の推理小説として楽しめるようになっているけど、第1巻から第10巻まで、大きな連作として構成されている」
ほう。
「その時系列が緻密に計算されていて、とても面白い。例えば、1巻に登場した人物が実は**巻に深く関わっていたり、*巻から登場する主人公の妹の関係者が**巻に思いもよらない形で登場したり・・・」
ふむふむ。
「第1巻が始まった時点で広げられた風呂敷は、第10巻のエンディングへ行き着くときに、しめやかに括られる」
ほほう。
「スタートからエンディングまでが見えているので、主人公の『成長』がとても自然。なぜ1巻でこんな性格なんだ?その性格設定の謎と、何をキーにして成長していくのかが巻を重ねるごとに判ってくる」
ふむ。
「スタートからエンディングまで、ぶれないのが良いね。やはり各巻を行きあたらばったりで書いていないのが良いね。物語の大きな筋道がはっきりしている」
なるほど。
「あと、氏の小説は、良く『理系』とか言われるけど、文章にちりばめられた詩的表現はその辺の『文系』のうすら眠い小説よりも、よほど文学的」
ふむ。
「主人公二人のちょっと変わった性格設定は好き嫌いがあるかも知れないが、探偵役の犀川創平助教授の独特な人との距離感と物事に対する考え方には個人的に共感を覚える」
なるほど。
しかし、今回全巻を読み終わるまで、かなり時間がかかったようだね。
「もちろん冊数も多かったし。それに他にも色んな作品を平行して読んでいたからね・・・」
今後、森作品は読むかね。
「早速ではあるけれど、氏の他のシリーズ『Vシリーズ』、『Gシリーズ』、『四季シリーズ』がそれぞれ今回の『S&Mシリーズ』の関連作品になっているらしく、今回の登場人物達の、昔の物語や後日の物語なんかが語られているらしいので、それも読んでいこうかなと」
ほう。
「とりあえず、まず『Vシリーズ』、またまた全10巻・・・」
またまた長くなりそうだな・・・。
「氏は多作で有名なので・・・」
各巻について細かく感想とかを述べるかね。
「残念ながら1巻から8巻目では既に手元を離れております。いつものように手放してしまいました。本棚の肥やしにしてしまわないように、必要としているところに渡すのです・・・。残りの2冊のまもなく旅立つでしょう・・・。なので細かい感想を述べるには記憶だよりになってしまいますので行いません・・・」
どうかね。このシリーズはお薦めかね。
「本好きの方にのみお薦めですね・・・。少々文章表現が難解かもしれません。あと、推理小説ですが、謎解きは『え?!こんなのアリ?』ってのが多いので、正当派の推理を読みたい方には向かないかも知れません・・・。しかし、その推理・結末はアリなんですよ。なぜなら主人公の発想は天才的なのですから!当たり前を排除することが重要なのです」
・・・なるほど。
「なぜ『理系』なのか読むと判ると思います。登場人物達が理系の先生や学生だから、というだけではありませんので」
長い物語だがお薦めではあるらしい。興味のある方は第1巻からどうぞ。
そんな感じで今回は終わる。