Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

読書感想文 『赤×ピンク』 桜庭一樹 を読んだ

 いらっしゃいませ。

 ・・・あ、どうぞ。

 朝晩涼しくなりましたね。





 過日彼は、桜庭一樹氏の小説『赤×ピンク』を読了したらしい。今回はそれについての感想などを書いてみたいそうだ。

なんだか小説を読むテンションでは無いというようなことを書いていたが、読むことが出来たのだな。











「完全な長編ではなく、連作短編というような形であったので読み切ることが出来たと思う・・・。でも、読むのにやはり手間取りました・・・」




ふむ。




「かなり手間取ったあげく、どうも上手く記憶中枢が働いていないらしく、感想的なものがなかなか出てこないような感じ」






あら。






「的を射ない妙ちきりんなことを書いてしまうかも知れませんが、どうか温かい心で見てください・・・」





消極的発言だな。
まあ、いいか。

ではまあ、感想の前に内容にでも触れておくかね。






「少女以上・大人未満の、心に傷を負った女性三人の成長物語、かな。登場人物によって傷の大小はあるけど、個人的にはかなりトラウマになりそうな傷ばかりであった・・・。


 東京・六本木、廃校になった小学校の中庭で、毎夜行われる非合法の女性格闘技会『ガールズブラッド』。完全会員制で、観客達は酒を飲みながら、8角形の檻の中の女性達の格闘を観る。
 殴り合う女性に歓声を上げる奇妙な客達。格闘技に生き甲斐を見つけた、どこか壊れた、でも真摯で純な女の子達。格闘することで心の傷を埋めるかのように生きる。その中の三人の女性の恋・再生・成長を描いた青春物語」






ふむ・・。
分かったような分からないような、歯切れの悪い内容紹介であるな。






「連作短編なので、ちょっと表現に困りました。そのため、文庫の裏表紙の文章は大いに活用させて頂きました・・・」




楽をしようとしたな。





「というか、上手く文章をまとめられなくて」





ふむ。




「この作品は青春小説ではあるけれど、別に格闘技を通じての成長とかを描いているわけではなくて、傷を負い、普通の生活からドロップアウトしてしまい、キャットファイトを見せることでしか上手く生きていけない三人の女性がそれぞれに生き甲斐みたいなものを見つけていくという物語」





ほう。・・・このまま勢い込んで書き続けると、ネタバレしてしまいそうだな。未読でこれから読もうとしている方はご注意願いたい。





「様々な事情やトラウマを抱え、檻の中で格闘をする彼女たちだが、それぞれに支えていってくれる人たちを見つけて、人間としてほんの少し大きくなる。三人三様であるが、それぞれにさしのべられる“救いの手”に、読み終わった後ほっこりした気持ちになれる」





ほう。






「三人の主人公が、それぞれの悩みやトラウマを抱えているが、それをあまりじくじく書かないのが良い。さらっと、それでも生きているんだと」






ふむ。






「深夜のあやしいキャットファイト、そこでしか生き甲斐を見つけられない女性達。さらっと流されて描かれてはいるが、それはかなり屈折した状況。だからこそそれぞれの“救われる”エンディングにほっとさせられるんだと思った」






なるほど。

で、どうかね。この本はお勧めかね。






「本編も短く、しかも3章に分かれているので、こぢんまりと読めます。長編が苦手だなという人でもさらっといけます、多分。あと、氏の女性の心理描写はなかなか巧みなので、女性が読むと意外に感情移入できるかも知れません」





なるほど。女性にお勧めという感じかな。
どうかね。桜庭作品はまた読むかね。





「『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が、既に積ん読の山の中に入っておるので、いずれは読むことになるかと。あと『GOSICK』シリーズも読むでしょう・・」





まあ、また読み終えたら感想などを書くのだぞ。

今回はこの辺りで終わる。