Cafe Ligia-exotica / 純喫茶 船虫

よしなしごとを。読書とか映画とか観劇と港の街の話しとか

読書感想文 『GOSICK Ⅳ -ゴシック・愚者を代弁せよ-』 桜庭一樹 を読んだ

 いらっしゃいませ。


 ・・・・そうですねえ・・、暑くなって、さすがに白湯で、って人はいなくなりました。




 過日彼は桜庭一樹氏の小説、『GOSICK Ⅳ -ゴシック・愚者を代弁せよ-』を読了したらしい。今回はそれについての感想だとかを書きたいそうだ。

このシリーズを読み始めて、短編集も含めて5冊目になるのかな。





「この第4巻で、物語が動き始めたような感じです。前巻までで張られていた伏線が少し意味をなし、改めて目に見えて大きな伏線が張られていっている感じ」











ほう。





「主人公の一人であるヴィクトリカの出生の秘密とは?同じく主人公の久城一弥との関係はいかに?といった、わかりやすい謎を改めて提示し直してくる。ここまでシリーズの先の巻に謎を引っ張られると、続きの巻を買わざるを得ない感じ」






なるほど。
まあ、それらのストーリーの大きな謎はいったん置いておいて、この第4巻の内容に触れてみるかね。






「読みやすいライトノベル感覚のゴシック・ミステリー。この巻単体では残念ながらおもしろさは半減だろう。ぜひ既刊の最初から読み進めていってもらいたい。

 ヴィクトリカ・ド・ブロワは『灰色狼』の異名を持つ14歳の少女。貴族の娘であるが、小国ソヴェールの寄宿学校『聖マルグリット学園』に軟禁状態にある。彼女はいにしえの民の血を引く天才的な頭脳の持ち主だ。いつものように学園の図書館で退屈しのぎに本を読んでいると、金色に装丁された、伝説の錬金術師『リヴァイアサン』の回顧録を発見する。
 この錬金術師は過去に学園の時計塔に住み着き、その力で金を生み出し、後に王妃に気に入られ国政にまで干渉できる立場になったが、失墜し行方不明になったという。
 折しもその時計塔で変死体が発見されることとなり、ヴィクトリカはその殺人事件の謎と、蒸発してしまった『リヴァイアサン』の謎をとこうと図書館の最上階から学園に降り立つことにした・・・」





ずいぶんとざっくりした内容紹介であるな。





「やはり、登場人物についての説明を省くとこんな感じかなと・・・」




相変わらず読みやすそうだな。





「さくさくですね。ラノベのテイスト満載です。ただ、これまでの短編を含めた4冊を読んでいると、徐々に明かされていく謎と相まって、なかなかの読み応えを生み出します」





ほう。





「主人公二人の関係性が若干変わってきたかなという感じがしますが、なんだかちょっとなあなあになってきているかも知れません。ヴィクトリカにはもう少し超然的に振る舞ってもらった方がそれっぽい気がします。なまじ人間性が出てきたとかっていう風にはなってほしくないかな・・・」





ふむ。






「ちょっとネタバレになってしまうかも知れませんが、おっと、例によってネタバレ注意報発令中です。・・・今回、学園内の特別室と図書館の最上階とをしか行き来しないヴィクトリカが、初めて教室へ放り込まれてしまう。これにより謎に包まれていた不登校児、『灰色狼』のヴィクトリカの姿を多くのクラスメートにさらしてしまうこととなる。このシーンはヴィクトリカの神秘性が失われていってしまった感じがしてちょっとがっかり。もう少し謎のままの存在で置いておいた方がよかった気がする。姿をさらしても恋敵(?)のアブリルくらいにとどめておいた方がよかったかな・・・」






ほう。





「ただ、時代設定は第1次世界大戦後のヨーロッパで、主人公の一人の久城一弥は日本人だ。第2次大戦の動乱が始まるまでの短い期間に物語を進めておかなければならないとなると、少々早い段階ではあると思うがヴィクトリカを衆人の前に出してしまうのも仕方なしなのかとも思う・・・」





なるほど。




「大きな謎を今回の巻で新たに見せつけてきたので、ラノベ的な作品にしては珍しく次の巻が楽しみな感じがする」




すでに発売はされているのかね。





「オリジナルの富士見書房版は。角川文庫版も近日中に発売される」





ほほう。

で、この小説、皆様にお勧めできるものかね。





「これまでの第1巻から読み続けている方は間違いなく読むべきでしょう。短編集『GOSICKs』や第3巻での中だるみはありません。これから読書を始めようという中高生の方々、1巻から読んでみるのはいかがでしょうか。アニメ化の計画があると言うことなので、まだ読まれていないアニメ好きな方(たぶん萌え絵になると思われるので、特に2次ヲタの方)、未読なのであればいかがでしょうか。普段小説を読まない方でもさくさくと読み進めることが出来ます」





なるほど。






「桜庭氏のほかの作品も気になってきました」




ふむ。

またそれらも含めて何かおもしろいものがあれば紹介していくのだぞ。

この辺りで今回は終わる。