読書感想文 『チルドレン』 伊坂幸太郎 を読んだ
いらっしゃいませ。
数日前、町中を飛ぶ赤とんぼを見かけました。暑い暑いっていってる間に、少しずつ秋が来てるんですね・・・。
過日、彼は伊坂幸太郎氏の小説、『チルドレン』を読了したらしい。今回はそれについての記事とかをヘモヘモと書いてみたいそうだ。
最近伊坂作品を読むことが多くなっていないかね。
「確かにそうかも知れない。最近『死神の精度』の感想文を書いた気がするし、積ん読の書籍の山の中に『魔王』が入っているし」
お気に入りなのかね。
「・・・うーん、もちろんこれだけ買っているので嫌いではないけど、お気に入りというほどでもない、かな」
ではなぜ続けて購入しているのかね。
「伊坂作品は、どれも大きく外れることが無くて、どれもそこそこ楽しませてくれる。どんな作家でも当たり外れがあると思うんだけど、伊坂氏の作品は外れっぽくてもそこそこ楽しめる」
なるほど。
「作品数が多くて読んでも作品がつきないってこともあるかな」
・・なるほどねえ。
で、今回読んだ『チルドレン』であるが。
「短編集なのだが、どちらかといえば短編連作集といった感じの作品。各物語の主人公(語り)は違うのだが、その友人の『陣内』という男が必ず出てきてそのちょっと破天荒の行動が物語を生み、その物語がちょっと心温まる内容になっているのだ」
ほう・・。
内容とかに触れることは出来そうかね。
「うーん、連作短編だからなあ・・・。
なんだか身勝手で他人に迷惑をかけるが変に憎めない男、『陣内』。パンクロッカーでギタリスト。彼のちょっと身勝手な行動が、小さな奇跡の物語を生みだす・・・」
なんだかさっぱり分からないが。
「これ以上書くと内容に細かく触れざるを得なくなってしまう気がして・・・。あ、例によってネタバレ注意報発令ですので」
未読の方は気をつけて頂きたいということで。
「内容的には取り立てて難しい部分はなくて、自分の常識と自分の倫理観で生きる男・『陣内』が、彼自身の気持ちに正直に動くことで、小さな奇跡(?)が起こるという内容。その小さな奇跡、5編からなる連作短編。伊坂氏曰く、短編集の顔をした長編小説なんだそうだ」
ほう。
「身勝手なことをひたすらしゃべりまくる、知り合いにいたらうっとおしいだろうなあという男『陣内』の言動や行動がなぜだかいちいちかっこいい」
ふむ。
「その『小さな奇跡』も、いちいちかっこよく読み終わるとちょっとほっこりする」
ふむふむ。
「読んでいると思うんだけど、この『陣内』の『倫理観』とか『正義』とか『常識』とかに作者の伊坂氏の気持ちが込められているんじゃないかと思う」
ほう。
「伊坂氏自身の『カッコイイ』という感覚が、この『陣内』に大きく反映されてるんじゃないかと」
ふむ。
「言うなれば、『陣内』は作者自身を投影する分身みたいなもんじゃないかと」
ほう。
「そのかっこよさを表現するのには、決して長い物語が必要なわけでなく、複雑な性格設定が必要なわけでなく、ただ思ったままに生きてみたらちょっと良い結果になったよ的なさりげなさが良い。短編なので物語は短くシンプル」
ふむ。
「作品自体が短く小気味良いので、構えずにさらっと読める」
なるほど。
で、どうかね。この作品はおすすめ出来る作品かね。
「お勧めできる物ではないでしょうか。最近活字を読んでいないという方も、さらっと読むことが出来ます。ほっこりする作品をお探しの方、お勧めです。これから伊坂作品を読んでみようかなという方、良いかもしれません。『死神の精度』あたりと一緒にどうぞ。ただし、この作品は大きく盛り上がることもないし、サスペンス的な物もないし、抱腹絶倒な場面もありません。ふわっと、さらっと。そんな感じですので。寝る前に、通勤通学に、お勧めできます」
なるほどねえ・・。
「盛り上がる伊坂作品をという方は『陽気なギャングが地球を回す』あたりから読めばよいかも知れません」
ふむ。
お勧めも終わったところで、今回はこのまま終わる。