いらっしゃいませ。
いつもの席でよろしいですか?
過日彼の住み処に50ページほどの原稿が届いたらしい。
「8月に、一応音響プランナーとして担当することになった芝居の台本が届いたんだ・・・」
ほう。
「果たしてどの程度余裕を持って望めるかは全く不明だが、準備は早いに越したことはない。休養日に一応内容の確認とト書きに書かれている効果音をさらう作業を行った」
ほほう。
「この劇団のホームページを確認してもらってもまだなにも告知されていない・・・。先にスタッフのブログから告知が始まってしまうのもあれな感じだが、早々に宣伝させていただく」
まあ、それこそ早いに越したことはない、か。
『劇団とり鉄人』プレゼンツ
“ことりてつじん”第3回公演
『ジローくんの冒険[改訂版]』
出演
友田博幸
長谷川具子
ギター演奏
松本誉臣 (大阪公演のみ)
尼崎公演
ピッコロシアター中ホール
2010年8月11日(水) 18:30開演予定
前売り当日とも、1500円
(ピッコロフェスティバル2010参加作品)
大阪公演
天満天六・音太小屋(ねたごや)
ギター生演奏バージョン
2010年8月21日(土) 19:00開演予定
2010年8月22日(日) 13:00開演予定
前売り当日とも、2000円
http://www.geocities.jp/toritetsujin/
「まあ、とりあえずこんな感じだ」
再演かね。
「この劇団が2008年に同じタイトルで二人芝居を行っているが、内容は大幅に改訂されている」
ほう。
「改訂と言うよりは、別物といった感じだ」
ほほう。
「何だかぼんやりとした設定は同じってだけで、前作をごらんになった方も存分に楽しめるのではないかと」
ほう。
まあ、まだ台本をチェックしただけだし、細かい内容にも触れることは不可能であるわけだが、漠然と、どんな感じだね?
「・・・前作と比較すると、色々と『整合性がとれている』というか・・・」
ふむ。
「キャラ立ちがはっきりしてますね」
・・・ほう。
まあ、あまり訊かないでおこうかね。音響プランの仕事としては?
「まずはト書きに書かれている、『その世界の音』を拾い集める作業から始まる」
ほう。
「いわゆる効果音だね。これは芝居の稽古の進行にも関わるので出来るだけ早めに集めなければ。せめてト書きに明記されてるものくらいはね・・・」
ふむ。
「さらに進行状況や演出の変更などで効果音が増えていく。これはその都度作成していく・・・」
なるほど。
「あとはBGMを決めたり・・・」
プランナーとして気をつけることとか考えているかね。
「何せ二人芝居なんで、出演人数が少ないということは、芝居の状況を説明するために効果音の役割は大変重要になるわけで・・・」
ふむ。
「ある意味スタッフでありながら出演者でもあるという意識で」
なるほど。
「・・・かといって効果音や音楽で押しまくる芝居にはしたくない。その、どこまでのラインがくどくならないかを考えねば。というより、ポリシーとして、どれだけ音数を減らすことが出来るかというぎりぎりのせめぎ合いですな。よくわからんけど」
良くわかりませんな、まさに。
「上手く説明できませんが、効果音というのは結構諸刃の剣だと思うのですよ。『効果』のために多用するとジリジリと芝居を食い始めるのです・・・。とくにBGMというやつは、芝居をばりばり食いかねないので・・・」
・・・まあ、好きなようにしたまい。
「あと、役者にも演出にも、もちろん前作をごらんになったお客様にも前作の音響というものはすり込まれていると思うので、なんか違う色を出せたらいいかなと。うちのチームの感じと言おうか・・・。前作は担当してなかったので・・・」
ほう。
「まあ、そんなことを考えながら喫茶店で作業をしておりました」
別に、自室でも良かったんじゃないか?
「何だか事務作業とか、読書とかって、自室よりも茶店とかファミレスとかネットカフェとかの方が遙かにはかどるし、集中できると思わないか?」
・・・。
「クリエイティブな作業には、コーヒー、さらに糖分を補う美味しいケーキ。これだね」
さいですか・・・。
まあ、早めに効果音作りに入りなさいね。
彼の偉そうな発言に少々うんざりしてきたので今回はこの辺で終わる・・・。