いらっしゃいませ。
え?空ペットボトル持参?
昨日(2010/10/14)に、知人の出演する芝居を観劇に行った彼は、感想を後日書くとしていたが、今回の記事で書くことにしたらしい。
「伊丹のアイホールまで行って参りました」
エイチエムピー・シアターカンパニー 2010年度 新作公演
『Politics! Politics! Politics and Political animals!』
原作=岸田理生『リア』 演出・美術=笠井友仁 パタンナー=樋口ミユ(劇団Ugly ducking)
この劇団は知っている劇団かね。
「今回初めて観に行く劇団でしたね。存じ上げませんでした。知り合いの女優、SN嬢(素敵女子)が出演するということで、SN嬢からお誘いがあり今回観に行くことにしました」
なるほど。
原作が『リア』というタイトルになっているが。
「下敷きにあるのはシェークスピアの『リア王』ですね。ただ今回の作品は、女性キャスト3人がメインキャストで、父親であるリアは出てきません」
ふむ。
「物語も王宮で繰り広げられるのではなく、母と娘二人の生活するダイニングでのやりとりで舞台は進行していきます」
ふむふむ。
「父を追い出し、家庭内での“権力”を手に入れる長女の一人語りで物語のほとんどが進行する」
ほう。
「三人の女性、それにコロス達が長女の“心の家来”として登場する」
ふむ。
「“心の家来”達は、どうやらネットの声のような感じで描かれている」
ほう。
「長女の“造反”をネットの声が煽る」
ふむ。
「その声に正当化されたかのように、長女は父に造反する」
・・・ふむ。
まあ、基本的には『リア王』なわけだな・・。
どうかね、根底に『リア王』があって、それを下敷きに岸田理生氏が戯曲を書き、さらに今回の脚本(今作ではパタンナーと表現している)を担当している樋口ミユ氏が書いた台本で芝居は演じられていたわけだが。
あ、公演中ということもあるが、ちょっとネタバレするかもなので、これから観劇されるという方は要注意ということで。
「・・・うーん、物語的には、大本の『リア王』のストーリーを知っていなければ内容を理解できないかも知れない感じでしたね。『リア王』を下敷きに、言葉の断片をガンガンぶつけてくる作品と行ったところでしょうか」
ほう。
「ただ、基本的に耳障りの悪い言葉をガシガシぶつけてくるのでなかなかに聴く方もテンションを高く保つのが難しい感じ。そのためか芝居の体感時間は長く感じましたね」
なるほど。
他に感じたことはあるかね。
「カメラとスクリーンの使い方が大変上手かったですね。リア打ちのプロジェクターで、父を象徴する映像作品を流しつつ、隠されたカメラで役者の表情をとらえてミックスして放映する。これはリアルタイムで行われることにしてはとても面白いと思いましたね」
ほう。
「あと、スクリーンに額縁の影がまるで積み木のように映り込んで、大変美しかったですね。照明さん(ねごろんさん)、良い仕事してました」
なるほど。
「舞台セットも美しかったですね。セットというか、スクリーン以外はほとんど何も構造物が無いセットなんですが、プリセット状態で10センチ四方くらいの白い立方体が規則正しくたくさん並べられていて、横から当てられている照明でとても美しい影が出ていて、これも魅力的でしたね」
ふむ。
「この小さな立方体は組み合わさって、父の居場所である“玉座”にくみ上げられるんだけど、個人的には組み上がっている状態をばらしていってくれた方が面白かったかな?」
なるほど。
「あと、台詞の羅列で物語を進行したいというのは分かるけど、もう少し起承転結に気を配っても罰は当たらないんじゃないかと思ったり」
ほう。
「そうすればもう少し体感時間は短くなったかな」
なるほど・・。
まあ、これからご覧になる方はあまり先入観を持たずに観劇に行って頂きたい。所詮は小人の戯言なので。
とりあえず今回はこの辺りで終わる。